概要
綺麗に咲く花の影で、蕾のまま落ちる花もある。
幼なじみの貴子は同じクラスの濱に恋をしている。二人は端から見ていると、まだ付き合っていないのが不思議なくらいの間柄で、外野の私の方がいつもヤキモキしてしまう。だから私は、バレンタインデーに貴子の背中を押す。自分の気持ちをぐっと呑み込んで。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!友情と恋の狭間で揺れる切ない青春模様を描いた、心に静かに響く短編
「カゼ二ユレル」は、友情と恋の狭間で揺れる主人公の心情を繊細に描いた青春ストーリーやで。友達を応援するという「優しさ」と、自分の想いを秘めてしまう「切なさ」が入り混じった物語が、静かな筆致で綴られてる。特にラストの余韻がたまらなく心に残る、そんな一作やったわ。
作品全体が静かなトーンで進むから、派手な展開はないけど、その分、言葉の一つひとつが心に沁みるんよな。主人公の複雑な感情が、淡々とした語りの中でじわじわ伝わってきて、「あぁ、こんな気持ち、わかるなぁ」って共感できるシーンがいっぱいやった。
でも、「ちょい辛」の視点で言うなら、主人公の心の葛藤がもう少し深く掘り下げられてたら、さらに感…続きを読む