その世界は優しさでできている

精一杯、ではなく、普通に生きている女の子の何気ない冒険の一幕。
こう表現してしまうと途端に陳腐な感じになってしまいますが、彼女にとっては他の人が冒険をするのとちっとも変わらないのです。

彼女は何も特別ではない。
周りの人たちだって何も特別ではない。
皆平等に「特別」ではなくて、ただ出来ることや感じることにちょっとした違いがあるだけ。

少しうまく話せない代わりに、彼女の感受性は少しだけ豊か。
両親みたいに階段をスムーズには登れないけれど、そのぶん他の人に支えられる時の温もりを知っている。

彼女の目に映る光景も、彼女と生きる人も、皆が優しい。
変な人だって、きっと。

蝋燭のぬくもりにも似た優しいお話です。
癒されたい方、心温まりたい方はぜひ読んでみてください。

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