あ の 夏 を も う い ち ど .

第12話

二人だけになって少しした頃、

「きらり、お前好きな人…いんの？」

いきなりそんな事を聞いてきた。

「好きな人とかよくんかんないけど、いないよ。お姉ちゃんとかお母さんとか…かな。」

「そ、そうじゃなくてさ、かっこいいなとか思う男がいるのかってことだよ。」

「いきなり言われてもわかんないよ…っ。」

「ねぇ…、」

俺、きらりのこと好きなんだけど。

初めて告白と言うものをされた。

「俺お前のこと好きだから、キスしていい？」

「え、イヤだよ。そういうのって好きな子としなくちゃいけないんだよ…私絢瀬くんのこと…きゃっ…！」

「じゃあ、せめてこうさせて。」

絢瀬くんが私を抱き締めた。

これが初めての男の子とのハグ。