第3話 せいなるいっせん
「あ、あー。コマッタナー。襲われちゃったら、コマッチャウナー」
ところどころ棒読みっぽく聞こえる
・・・なんだか襲って欲しそうだな。チカラを失ってもイイのか?
そんなことを思っていると、不意に校舎の窓が
「おい、オマエら、いい加減にしろ。イチャイチャするのも大概にしろ」
「先生っ!? ど、どうしてココに!?」
「なに言ってるんだ? ココは職員室だぞ?」
・・・どうやら僕と
「えっと、あの・・・。僕たちの話、聞こえてましたか?」
「あぁ。さっきから大きな声でワケの分からん話をベラベラと・・・。職員室にいる先生方、全員に聞こえてるぞ」
・・・なんてことだ、これは恥ずかしい。いや、恥ずか死ぃ───だな。
「ホントにいい加減にしてくれ。オマエらは普段からイチャイチャしてて、噂になってるんだからな。場所を
「す、すみません・・・」
「嫉妬のあまり、オマエらを呪い殺そうとしてる生徒や先生がいるんだから、気を付けろよ」
「はい・・・」
・・・ん? 先生だって? 先生の中にも、僕たちを呪い殺そうとしてる人がいるのか? なんて大人げないんだ・・・。
担任からの注意を受け、僕と
学校からの帰り道。別れ話は、どこへやら───という感じで、僕と
「そういえば、大丈夫なの?
厳密にいえば、チカラのことは昇降口にいた生徒たちも聞いていた。となると、その全員が
「大丈夫、大丈夫。あんな話、普通は信じないから」
それはまぁ、そうか。
「それでね、
眉を八の字にして、上目遣いで僕のことを見ている
「あれ? そういえば・・・。チカラのこととかは、
「うん、いるよ」
あ、いるんだ・・・。
「だったら
「ハッ! た、たしかに・・・」
今まで気づかなかったのか・・・。
「ちょ、ちょっと待っててね!」
慌てて繋いでいた手を離し、少し離れた場所に移動した
「あ、もしもし? お母さん? あのね───」
声を聞かれないようにするために僕から離れたのだと思うのだが、それでも
「うん、うん・・・。そう、それでね───」
どうやら母親にチカラのことで相談をしているらしい。それはつまり、僕と一線を越えることを相談しているということだ。・・・恥ずかしい!
「そっか、そうなんだ・・・。うん、うん。分かった、じゃあね」
電話を切ると、
「やったよ、
あのね、そういうことは小さな声で言おうね。あと、言い方も考えようね。
「ねぇ、
えっ!? そ、それって・・・。今から、する───って、ことだよね!? 展開、早っ!!
「そ、それじゃあ───」
待て待て! 落ち着け、僕!
唐突に訪れたビッグウェーブに乗ろうとした僕だったが、一旦、落ち着くことに成功した。そうして、よくよく考えてみる。
流石に
・・・というか、僕が襲われたりするかもしれない。『やっぱり
とはいえ、
「ホ、ホテル・・・、行く?」
渾身の勇気を振り絞り、僕は言った。だが・・・。
「・・・ホテル? どうして?」
「え? あ、あれ?」
「えっ!? ちょっ!? も、もしかして・・・、
だから言い方!!
「あ、えと・・・。ウチに誘ったのは、『お母さんに紹介しようかな』って思っただけで・・・」
そうだったのか!!
「でも、まぁ・・・。
「う、うん・・・」
再び手を繋いだ僕たち。そうして繁華街へと仲良く赴き、やがてラブホテルの前に立つ。
「な、なんだか、ドキドキするね! ワタシ、久しぶりだから、緊張しちゃう」
・・・はい? 久しぶり? 僕は初めてなんだけど?
「えと、
「うん」
おいおいおい、どういうことだ!?
「あ! と、友達! 友達と見学に来たことがあるだけだから!」
友達? それは、いわゆる【性なる友達】───詰まるところの、セフレじゃあないのか?
・・・とは思ったが、
「ご、ごご、誤解しないでね! 女友達と見学に来ただけだからね!」
えらく慌てて必死に否定しているところが、余計に怪しい。とはいえ、
ということで、僕たちはホテルの中へと入っていった。その、およそ三十分後・・・。
僕は、
そうして僕と
二年間付き合った彼女に突然振られたのだが、その理由というのが冗談としか思えないので、とりあえず僕は足掻いてみた @JULIA_JULIA
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