今だ、分身の術!
熟成二段仕込み
第1話 船橋の西は?
特殊な特殊法人♡ステンショ公団のタキ総裁は、中央合同庁舎3.14号館の前にいた。エミー省が入居するこの庁舎は、円周率に因んで名づけられたとも言われるが、当時の資料が残っておらず詳しいことはわからない。
周囲を憚りながらタキ総裁が庁舎の木戸を叩くと、中から声が聞こえてきた。
「船橋の西は?」
「西船橋」
タキ総裁が答えると中から守衛が木戸を開ける。
「お名前は?」
「ステンショ公団のタキです」
「14時からの審議会ですね、お疲れ様です」
エミー省のセキュリティー対策は合言葉で行われていた。
今だ、分身の術! 熟成二段仕込み @Niiza_Chuo-ku
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