20話 ジャグラーに設定6は存在しません!


私は小沼店長はいかつい見た目のせいもあるが、何より幼女愛好家と言うこともあり、なかなか話題に困った。


話題に困っていた私は、先ほど、小沼店長が調整していた場所がジャグラー島だったので、ジャグラーに関して聞いてみた。


「ジャグラーの調整についてですか?あれほど調整が楽なマシンはないですよ」


店長は眩しいほどの笑顔でジャグラーについて語り始めた。


「こっちがどれだけ頑張って調整したところで、ほとんどが伝わることがないですから」


「中規模ホールなんて、年中【3】のままってのもよくありますしね」


小沼氏はうっすら笑いながら語る


「笑っちゃいますよね。それをお客様方が勝手にああでもない、こうでもないと、勝手にマシンの状態を決めちゃうですからw」


「ウチはそれでもある程度はメリハリつけてますけど、ジャグラーは勝手にマシンが頑張ってくれちゃうので、熱いイベントの日に数台いじるだけですね。」


小沼氏は得意気な顔をしながら


「でもって、翌日にはしっかり戻す。だからイベント翌日には絶対打たないほうがいいですよ。しかもイベントって言っても、店によっては下手したら普段のままの可能性もありますが。」


小沼氏はニヤニヤしながら語る


「まあ、それでも、イベントってこちらがつけるとお客様がそのままイベントにしてくれてるんですけどねw」


「これは、俺の格言なんですが…」


小沼氏は両手をひざにドヤつきながら語った


「ジャグラーに【6】は存在しない」


「多分、日本全国どこを探してもないでしょうね。勘違いしないでくださいよ、【6】を使わないわけじゃないんですよ」


「使った場合でも、朝一の調子が悪ければそのまま埋もれてしまいますし、終日調子がいい場合でも、それが【6】とは断定できないですからね」


小沼氏は胸のポケットから【ラッキーストライク】を取り出すと、シュっと音を立てタバコに火をつけ、大きく息を吸い込んだ。


「設定【2】とかにした場合でもBB40RB37とかになっちゃう場合もありますから、まいっちゃいますよねw」


「全台【4】とかにすると面白いですよ。勝手にメリハリがついちゃって。ウチのホールだと100台以上はあるんですが、勝手に【1】【みたい数字だったり、【6】みたいのがあったり、こうなるとプレイヤーが勝手にその台について評価しちゃうじゃないですか?」


小沼氏は大きく煙を吐き出しながら


「でも、全部【4】なんですけどねw」


ニヤニヤしながら話を続けた


「面白いことが一つあって、全ての台のデータを合わせると、メーカーが発表した通りの数字になっちゃう」


小沼氏は再びタバコを吸い、宙に向かい煙を吐き出す


「結論を言えば、ジャグラーはお客様次第なんですよ。人間設定で設定が決まっちゃいますから」


そう言うとタバコの火を消し、重たそうな身体で立ち上がった。


「さあ、仕事を再開しますか!明日は全1かな?w」


眩しばかりの笑顔を浮かべ、再び暗い店内へと消えていった


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