ララバイ

奥村 葵

“You are not alone”

 夜更、辺りが静寂しじまに満たされる。

 奥底に眠っていた、幾万もの後悔や自責の念の声が大きくなる。

 愁いに沈むのは、何も初めての事ではない。

 “当たり前が何故できない?”

 “楽観的にが何故できない?”

 延々と続く自問自答には飽き飽きしている。

 何回繰り返したって、答えはいつも変わらない。

 “お前が間違っているんだ”という答えに、変わりはない。

 突きつけではなく、諦めの境地で辿り着く。

 明日も、明後日も、この夜は繰り返しやってくる。

 ロード画面に映り込む輝きのない目。

 訪れるのは痩せた考え、安い希死念慮。

 憎らしいのは周りじゃない。

 怨嗟の声を上げ、沈み込む自分自身だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ララバイ 奥村 葵 @okmr_aoi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ