――あのお方の夢日記――
あのお方
タコに似た生物になった夢(小説風アレンジ)
~これはボクが生まれてからの物語~
ボクはこの日、海の中で生まれた。
水中で生活する種族、タコノ族の子供として生まれたんだ。
そこでボクは大事に育てられていた。
自由に泳げるほどに成長したボクは、のんびりと海藻を食べて暮らしていた。
暮らしていたんだ。
ある日、ボク達の住処に恐ろしい敵がやってきた。
敵は大きな体を突進させて、ボク達に襲い掛かってきたんだ。
今思えば、サメに似た生物だった敵。
鋭いキバでボク達を切り裂こうとすぐ近くまで迫ってくる。
あっけにとられていたボクは、家族に手を引かれて生い茂った海藻の中に隠れた。
ボクは聞いたよ。
「アレは……アレはなんなの? どうしてあんなにこわいの?」
って。
家族が口を開こうとしたとき、近くで轟音が鳴り響いた。
ドォン!!
「「「「ひっ!」」」」
ボクたちを探しに来たんだ……
その時ようやく理解できた。
アレが敵なんだ、ってことを。
ブチブチッ!!
敵が海藻を口でちぎりながら、ボク達タコノ族を探している。
「う、うわぁ! や、やめっ……」
グジャッ!!
あ、あっ……
その時ボクは見てしまった。
揺らめく海藻の隙間から。
ボクを可愛がってくれたおじさんが……
食べられちゃった……
「う! うわあぁぁ!」
衝撃だった。
おじさんだったモノが敵にかみ砕かれていく。
海に血の色が広がっていく。
「シーッ! 静かに! 見つかるぞ!」
ボクの父さんが口を塞がなければボク達は見つかっていたかもしれない。
その後敵は、おじさんを食べた後どこかへと去っていった。
……張りつめた場の雰囲気が緩んでいくのを感じた。
ボクはつらくて悲しかったけど知りたいことがあった。
だから、
「ねぇ父さん、母さん、アレってなんなの? アレをどうにかできないの?」
って聞いたんだ。
僕の疑問に家族は優しく答えてくれた。
「いいかい? アレは私達がどうにかできるようなものじゃないんだ。
だからもうしょうがない。そう思うしかないんだ……」
その時、僕の質問に答える両親の顔は……
真っ暗に見えた。
この日ボクは初めて、理不尽を知った。
~~~~~~~~
というのが夢の始まりです。
このあとから徐々に面白くなってきます。
書け次第投稿していくので、
続きを楽しみにしていただけたらな、と思います👍
――あのお方の夢日記―― あのお方 @anookata
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。――あのお方の夢日記――の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます