第13話
感傷に浸り続けているわけにもいかない。
時間は刻々と流れ続けていて、人々はそれぞれ思惑に従い行動をしているのだから。
具体的に言うと、そもそもとして購入した惑星の管理を任される事からも分かる通り、購入者はその星をしっかりと管理しているのかを定期的に報告しなくてはならないのだ。
そして管理の水準が足りていない場合、管理権を剥奪されてしまう。
無駄が嫌いなのかなんなのかは分からないけど、とにかく彼等が求めているだけの事は最低限しなくてはならない。
現状、例のゲームによって得られているものは多い。
だがそれはあくまで「人的資源」の価値が認められているだけであり、私が具体的に管理アンド開拓をした結果とはちょっと言い難い。
もっと直接的な成果が必要になってくる。
……正直な話をすると問題はそれだけではないとも思っているけど(ぶっちゃけ、アリレラさんどころか一部の重鎮の気分次第で全てが台無しになるけど、それはそもそも私がどうこうできる話ではないので、とりあえずないと思うようにする)、とりあえずは目先にあるやつから少しずつ解体していくべきだろう。
さしあたって……
「エネルギー資源をどうにかする、とか」
一応、オルタデルタカンパニーでは直接的な方法で物質そのものからエネルギーを得る(?)手段を獲得している。
今更地球レベルで利用されている、あるいは生み出されているレベルのエネルギー量では彼等は満足しない。
ただ、その代わりに相対的ではあるが物質そのものの価値は上がっているとも言えるかもしれない。
「だからこそ結構危ない状況なんだよね」
それこそ、江戸時代の日本で行われていた貿易における金銀のように。
価値というのは広い視点で見る必要があり、そして今地球は不本意ながら宇宙レベルの水準でそれを行わなければならないのだ。
……巻き込んだのはある意味でむしろ私とも言えるけれども。
いやまあ、私以外の人がやる管理方法は多分もっと悲惨だったと思うからまだマシと考えるようにしよう。
ぶっちゃけオルタデルタカンパニーにおける「土着」の生命体はあってないようなものだし。
そんなわけで、まずはそう──穴を掘ろう。
世の中は今、開拓時代である。
日本にはまだまだたくさんのお宝の山が埋まっているのだから。
元地球人だけど、格安値段で故郷が売られてるんだが カラスバ @nodoguro
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