お悩みディスペンサーフジモト
@sevario-bern
お悩みディスペンサーフジモト
街の小人フジモトはお悩みディスペンサー。
街の人達のお悩みを身体から直接体外に
フジモトは新人のお悩みディスペンサー。今日は、初めて街の人のお悩みを
初めて
フジモトは、さっそくお母さんのお悩みを
「お悩み
陽気な声でお悩みを
ほかほか。ほかほか。
またもう少し温かい世界ができました。
次にフジモトは中学生の男の子の所に行きました。
男の子は好きな女の子に告白する勇気を出せず、困っているようです。そのお悩み、外に
「お悩み
またしても陽気な声でフジモトはお悩みを
でもおっと。男の子の告白は無事成功したようですが、お悩みが
よかったです。
ほかほか。ほかほか。
またもう少し温かい世界ができました。
ほかほかほかほか。ほかほかほかほか。
フジモトは歌いながら、新しい場所に来ました。街の繁華街です。
繁華街の一角に、売れないクラシック風の作曲家が居ました。どうやら曲のアイデアが思いつかず、良い新曲を出せていないようです。路線変更も模索しているようですが、中々これまでのジャンルに愛着が湧いてしまい、決断に移せないようです。そのお悩み、フジモトが
「お悩み
クラシック風の作曲家は幼い頃から使っていたピアノを捨て、ギターやベースを買いました。作曲家は各地で仲間を募り、僅か2週間でストレートで個性的なロックバンドの一員になりました。
ほかほか。ほかほか。
またもう少し温かい世界ができました。
次は日も沈んで久しい夜、疲れ切ったサラリーマンのようです。
サラリーマンの悩みは…… おっと? これは珍しい。自分の思考が悩ましいと、自分の意思が悩ましいと。
どうやら自分の意志が出たせいで、先輩と協力できずに順位が落ちてしまったようです。
「お悩み
お悩みを
その結果、サラリーマンの出勤経路に妖精のような小人が現れた次の日から、サラリーマンが変わったことが分かったのでした。
後輩のタカナシはそれはもう大驚き。その小人『お悩みディスペンサーフジモト』を追いかけました。
やっとの全力疾走の末、フジモトの前にたどり着いたタカナシはこう言いました。
「お前が先輩を駄目にしたのか」
なんでしょうか。この言い草にはフジモトも大激怒です。
『僕はただのお悩みディスペンサー、人を駄目にしたことなんて一度もないよ』
「あいつは確かに優秀じゃなかった。でもな、優しくて、他の先輩たちと比べて給料が少なくとも積極的に奢ってくれる良い奴だったんだ。でもな、あの日からそんな先輩は居なくなってしまった!これを駄目になったと言わずして何という!」
『駄目なのは君だね。まだお悩みを
「貴様ぁぁぁぁああああ!」
『お悩み
タカナシはその場に倒れ込み、もがきました。その明日、タカナシは近くの石に頭をぶつけ、死んでいる状態で見つかりました。
これは温かい世界です。
お悩みディスペンサーフジモト @sevario-bern
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