第37話 つながりを見守る人々
「第一回未来のハーレムネットワークサミット」が成功裏に終わり、地域同士のつながりは確実に広がりを見せていた。しかし、サミットを通じて浮かび上がった課題や、新たに生まれた希望が、次なる一歩への指針となっていた。
沙也加たちは、それぞれの地域が持つ個性を活かしながら、未来のハーレムネットワークが継続的に発展していく方法を模索していた。
新たなプロジェクトの提案
サミットを終えて数日後、拠点に集まったメンバーたちは、新しいプロジェクトについて話し合っていた。
「サミットで出た課題の中で、特に人手不足や若い世代の参加が共通の問題だったよね」
拓哉が資料を広げながら言った。
「それなら、次のプロジェクトでは、若い世代がもっと関わりやすい仕組みを作ることを目指すのはどうかな?」
美奈が提案する。
「若者が興味を持つようなテーマを選ぶのが大事だね。たとえば、アートや音楽、SNSを活用したキャンペーンなんてどうだろう?」
ラミーが補足した。
「それに、若者たちが自分たちで企画や運営を体験できるようなプログラムを組み込むのも面白いかもね」
香織が意気込む。
沙也加は全員の意見を聞きながら、新しい可能性を感じていた。
「それなら、ネットワーク全体で若い世代が主体となるプロジェクトを立ち上げよう。そして、その成功をきっかけにさらに多くの人が未来のハーレムに関わるきっかけを作っていこう!」
プロジェクトの始動
新しいプロジェクトは、ネットワーク全体を巻き込んだ**「若い世代が作る未来のハーレム」**をテーマにスタートした。プロジェクトの概要は以下の通りだった。
1. 若者運営委員会の設立
• 各地域から若い世代の代表者を集め、プロジェクトの運営を任せる。
2. 多文化オンラインフェスティバルの企画
• 音楽、アート、ダンスなど、若者が興味を持ちやすいテーマを中心にしたオンラインイベントを開催。
3. SNSを活用した広報キャンペーン
• 各地域の取り組みをSNSで発信し、全国の若い世代にアプローチ。
若者運営委員会の結成
各地域から集まった若者たちが初めて顔を合わせる日、未来のハーレム拠点には新鮮なエネルギーが満ちていた。
「初めまして!私は香織です。このプロジェクトの運営を一緒にやりましょう!」
香織の明るい挨拶に、集まった若者たちは少し緊張しながらも笑顔を見せた。
「僕は隣町から来ました。普段は地元のイベントに参加してますが、今回こんなに大きなプロジェクトに関われるのが楽しみです」
「私は都市部から来ました。この活動をきっかけに、もっと多くの人とつながれたら嬉しいです」
自己紹介が進むにつれ、会場の雰囲気は徐々に和らいでいった。
オンラインフェスティバルの準備
若者運営委員会は、オンラインフェスティバルの企画に向けて熱心に意見を交わした。
「音楽ライブは絶対にやりたいよね。いろんな地域のアーティストを招いて、それぞれの文化を感じられるようにしたい」
「それに、若い世代が楽しめるゲームコーナーや、SNS投稿で参加できる企画も取り入れよう」
「アート展示もオンラインでできるようにしたらどうかな?参加者が自分の作品をアップロードできる仕組みを作るとか」
若者たちの自由な発想が次々と形になり、オンラインフェスティバルのプランは急速に進化していった。
見守る沙也加たち
若者たちが企画に熱中している様子を見守りながら、沙也加は美奈に小さく呟いた。
「私たちがずっと目指してきたことが、こうして形になっていくのを感じるよね。この場所が次の世代に受け継がれていくのを見られるなんて、本当に嬉しい」
美奈は微笑みながら頷いた。
「そうだね。違う世代が一緒に作り上げる未来のハーレム。これが本当のつながりの形なのかもしれない」
手帳に記した言葉
その夜、沙也加は手帳にこう書き記した。
「若い世代が作る未来のハーレム。それは、新しい風を生む場所。つながりは受け継がれ、広がり続けていく。この灯を見守りながら、私たちも次の一歩を踏み出そう」
物語は、次世代へと受け継がれる未来のハーレムの姿を描きながら、新たな希望へと向かって進み続ける──。
誰も教えてくれない本当のハーレムとは 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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