第1話
ぼくは暗い夜のしじまに
ひとり重たい ひつぎを抱えて立っている。
そんなイメージを見ている。これは夢?
これが本当だとしても、1度 過ぎてしまえば夢に思える。
どれだけ ぼんやりしていても、
ある1つの問いが ぼくに迫っていた。
「これまでの地球上、だれかを助けようとして
むしろ じぶんが犠牲になっていったひとは
どれくらい いるだろう?」
どうして こんなことが気になるのだろう?
「だれかを助けようとして
むしろ じぶんが犠牲になっていったひと」、
ぼくは1人知っている。
応援に駆けつけようとして飛行機に乗ったが、
飛行機とともに命を落とした、伝説の歌手のひと。
ぼくは目から涙がこぼれないように上を向いて歩く。
つづく(近日 公開)
たすけること たすけられること ー届かないじぶんへのギフト のらねこ お岩 〝お岩に〟 @018
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