そして僕は灯りを消した
翡翠
僕は毎日人を殺している。
肩に据えた銃が、沈み込むように腕全体へ重量を預け、ただ無機質な金属が
遠くの標的を
カチリ――
セーフティを外す音が、世界を切り裂く刃のように耳に響くように撃つ。そして、トリガーを引いた
空間を割る
最初は重かったはずのこの感触も、今では馴染んでしまった。そんな自分が
たかが十五年しか生きていない僕が、こんなものに慣れてしまうなんて。
目の前の風景は、
標的を狙う手も震えない。引き金を引く指先も、淡々としている。自分が自分じゃなくなるみたいだ。
何で僕が召集されたのか、心の中でその言葉を
ただ、一つだけはっきりしているのは、この銃を持ち、人を撃つ事がこの国の為なのだという現実。命令に従い、
引き金を引くたびに、一つの灯りが消えていく。それが誰なのかも分からない。ただ、僕と同じように生きたいと思ってた
それを思うと、胸が
僕の存在意義は何だ。兵士か、子どもか、それとも、
だけど、普通の十五歳のままじゃいられない。いや、いれない。周りの灯りが一つずつ消えるたびに心の中で叫ぶんだ。
家族のところに戻りたいって。
でも、もう戻れないんだろうな。そう思いながら僕はまた一つの灯りを消した。
そして僕は灯りを消した 翡翠 @hisui_may5
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