後編

レオスはムラヨネの胸倉を掴み言った、

「どう言う事だ!答えろ!」

ムラヨネはレオスの手を掴み振り払って返事した。

「『クラムカリハー』の伝承を知っておるな?」

「…ああ、あれは確か世界を暗黒に染めようとした魔王に対して最後の希望として人にした使えない聖剣がクラムカリハーの筈では?」

「名前だけは合ってるが総てが間違いだ、あの話しでは女騎士が倒れてたな」

「確かに」

「だが真実はこうだ、その女性は女騎士等では無い、ただの町娘同然だからだ、その町娘は主人公の戦士の前で殺されたのだ、そしてその深い悲しみの中。クラムカリハーにその町娘の魂が宿ったのだ、今まで誰も勝てなかった魔王を依代を得たクラムカリハーの一撃で倒したのだ」

「まさか…」

「そう…グライムブラス家のマジックジュネレータもそう、神話の武具の多くは所有者と心に強い繋がりを持つ者の魂を依代とするのだ、その多くが選ばれし者…モノに寄っては名家の家宝として引き継がれる理由はその家の者達以外が使えば副作用として命を縮める事が有るのだ」

「だからメイビィの死を利用しろと?」

「そうだしかも偽物の魂では無く本物のな更には命もだ…とはいえ儂も其処まで非情では無い、このマジックジュネレータを交換する程度なら少しはましだろうが」

「有難う御座います」

直ちにマジックジュネレータの換装作業をした、

数分後

換装作業と燃料の補給を終えた後、ムラヨネもその時の為に同行する事に成った、

木々の隙間からあの球体がまた姿を見せた、

3人も乗せたら流石に動きが鈍く成る筈かと思ったらそうは思わない動きを見せた、

球体から放つ光りの盾もマジックガンの数発で光りの盾を貫いた、

貫かれた球体は爆発四散した、

その威力にレオスは唖然とした、

ふとレオスは後部を見た。

さっきからメイビィが終始無言なのも気になって来た。

もしムラヨネの言ってた通りなら何で妹にそんな酷い事をするのだと、

その隣のムラヨネは地図の上にコンパスを載せて念じる様な仕草をしている。

「あの…何を?」

「…其処から北陸の方向」

「もしや」

「簡易だがラディアの居場所を特定出来る、あやつと深い関わりの有る人達なら可能だ」

だれなのかは言わなくても解る、

「ソレよりあのあの建物はムラヨネさんが建てたのですか?」

「いいやあの場所は元々アジスの研究目的で建てられたと想われる」

「1体何を考えて」

「教育が行き届いておるようだな。だがあそこも戦争が遭った際、資料を大体1纏めておいた後逃げたのだろう。暗くて良く分からんが、あの建物の権利を放棄されてたからな」

「そうだったのですか?」

「其処で調べたら、アジスの呪いは昔は『亜人の呪い』とされてて元はもっと違う名前でな、更には神話世界の我々人間の言葉をアジス共は解読して公用語とした様だな」

「ソレは何故?」

「神話世界の人間共の皮肉だろうな、アジス達文明の水準も低い様に見えて実は決して低く無いと言う事だ。魔法は元々アジス達のモノだがソレを何時の間にか人間達が独自に解析して詠唱出来る様になっちまったからな」

レオスはその事実に唖然とした、

クラムカリハーは聖剣では無く妖剣で遭った事、

「反応が近いどうやらここに違い無い」

ドローンはその近くに着地してムラヨネにドローンを任せて降りた、

山の麓近くの斜面の穴。

その穴からラディアが姿を見せた、

「…ラディア」

「レオス」

「ちょっとなにかんがエテルノヨコノへんたい!」

ラディアの手に持ってる板の様なモノから声が聞こえた、

その声がメイビィので間違い無い筈であった。

「メイビィ!」

「オにいさま!わたしノてハどこ?あしハ?からだハ?」

「貴様!メイビィに何を!」

ラディアは手にした板を握り潰した。

「きゃああぁぁぁ!!!!!」

最後は雑音と共に掻き消えた、

次にラディアの頭上にあの球体が現れた、

球体から無数の金属の触手が生えて来てその触手は次々とラディアの身体を刺した、

「早まるな!」

レオスはその触手を触った瞬間、

電流が流れてソレでも尚話そうとしないのか触手の一振りでレオスは弾き飛ばされた。

更に触手のもう一振りがレオスを襲った瞬間、

メイビィが間を割って入り首があらぬ方向に曲がって吹き飛ばされた、

「メイビィ!」

曲がった頭のまま頭から地面に着地してうつ伏せに倒れた。

「メイビィ…メイビィ…しんじゃやだよ、さんにんでかえるんじゃなかったのかよ」

子供の様に泣きじゃくるレオスを尻目に何時の間にか居たムラヨネはメイビィの遺体を取り上げると瞬間移動の様に姿が消えた、

何処に行ったからレオスは直ぐに解った、

2人を探す為に半ば強奪に近い形で手に入れたドローンのコックピットに居た、

そのコックピットにメイビィの遺体を入れて外にいるムラヨネは手を合わせて何かを唱えた、

ドローンのコックピットの中から淡い光を放った、

「貴様何をした!」

「忘れたのか?死の悲しみを超えられるのか?と」

「…メイビィ?メイビィだよな?何処だ?何処に居る?」

「幻影に騙されるな!」

「…そうだな、ラディア!」

レオスは死者と成った筈のメイビィの声を聞き、ラディアの居る方に向くと。

頭上に浮かぶ球体を従えて変わり果てた姿のラディアが居た、

顔は何処と無くラディアを思わせるのだがそれ以外は最早人型で合っても人間のそれとはかけ離れてる、

目が開きラディアだった存在が言葉を発した、

「…ヤハりなどうやら『タマシイ』とはナニかがワかった、そしてケツベツすべきコトだったのだ」

「…どう言う事だ?」

「ワタシはコイビトをウシナいシツイのナカ、シゼンとカガクのキョウゾンはカノウかどうかナヤんでイたものだ。だがアるトキ、カレらがワクセイセシリアにキた、カレらはワタシにシタガうカわりに『タマシイ』にツいてシりたいのだ、メカドロンケのヒジュツでホムンクルスをツクりキミのイモウトからタマシイをヌきトって、オーエスのナいコンピューターにムリヤリウめコんだ、まさかここまでウマくイくとは、シゼンとカガクはケツベツすべきだと」

位置や本数長さが人間のとはかけ離れた手がレオスに差し出して言った、

「トモにウチュウのスベてのキカイかをメザそうではナいか?キミのイモウトのバックアップなスデにスませた、あのコロからオトコがヨロコぶスガタまでイロんなカタチにデキる、ヨミガエるコトがデキるのだ」

「…断る」

「ナニ?」

「貴様のやっている事は神を総てを否定する事だ!そんなんじゃ死んだ恋人が悲しみメイビィは貴様を憎むだけだ!」

「そうかならシカタない、だがイマはヒかせてモラう。トキがクればこのホシをセめさせてモラう、タマシイをエーアイがマナんだからな、キサマらニンゲンドモのアホさからウまれたアアイ、イヤ。メタルモンスターがウチュウのドコかのイロんなホシにセめホロぼしてヤる、さらばだレオス!」

そう言いラディアは金属の球体の中に取り込む様に入り天高く飛んだ、

追いかけまいと取り巻きの球体が降下して来た。

レオスはドローンに乗る前にムラヨネに尋ねた、

「つかぬ事を聞きますが何故ああいった所に?」

「『マジックジュネレータ』の研究をしていたそれ以外に理由は有るかな?」

レオスは首を横に振った、

「メイビィの事宜しく頼みます」

ムラヨネは首を縦に振った、

レオスはドローンに乗り飛び立った、

多数に浮かぶ球体をものの数分で撃退した、

それまでのドローンでは有り得ない軌道を取れて、

更にはマジックガンの威力も増した、

増したと言うよりも光りの盾をすり抜けた様だった、

ほぼ総ての球体を破壊したと想われたがやられかけた最後の1体がこちらの言葉で語り掛けて来た、

「われラハろしナン…まケン…きさ…まラせいぶつノ…とくちょうノ…みっツ…じこさいせい…じこぞくしょく…じこしんか…をわれわれニあワセテ…じこしゅうふく…じこぞうか…じこかいりょう…トシテ」

「だろうな…」

レオスの頭の中に語り掛けて来た、

ラディアが妹を実験台にしたから出来た事かのかも。

無数の光を放ちながらも照らさない宇宙、

1つの星に無数のメタルモンスターの艦隊が攻めて来た、

その星の生き物を根絶やしにして、

土や岩を抉り砕きながら地中へと進んだ。

見てくれはメタルモンスターに攻められる前の惑星だが、

その中、地底は岩とマグマで構成さてたモノから、金属のフレームで出来た機械へと変貌した、

レオスはそんな球体に右手に指差しながら、

「ならば仲間共に伝えろ!」

指した手を降ろして、

「自然の完全なる決別は多くの者達が信じるであろう事の総ての完全なる否定だ、そんな存在を受け入れる者達は宇宙の果ての果ての何処に転がっても敵対されるのはさも当然だ。そんな貴様らを我が血族と思い同じくする者達は必ずや追い詰める」

左拳を上げて、

「今これより我がグライムブラス家は悪しき宇宙人を討ち滅ぼす者達と成る!」

ソレから数年後

セシリア暦1990年代末

惑星セシリアの衛星軌道上に宇宙人の宇宙船が到来して来た、

グライムブラス連邦国政府は妄り矢鱈に言うべきで無い『グライムブラス』の言葉の有る点に付いてを言った…

『グライムブラス家』は惑星セシリアに降り立った人達の事を指し示しておりグライムブラス連邦国の名を変える前のグライムブラス王国の名前の由来と成ってる、

『メタルモンスター』の調査活動に拠る惑星セシリア降下作戦から端を発した出来事から、

本格的な宇宙の研究、及び宇宙人対策。

ソレに伴うエイリアンハンターとしての仕事も成されていたと言う噂が遭ったりして凄い不思議な研究をしている事からか、

その思考からか世間一般は疎んじ稀てるが、

最早グライムブラス連邦国政府はその名の由来と成ってる人達に手を打つ必要が遭ったのだ、

グライムブラス連邦国領内の何処かに有る、『グライムブラスアマチュア無線学習塾』と『グライムブラスモデルロケット教習所』とその2つの両隣に挟まれた。ただしモデルロケット教習所がモノがアレなだけに広いが『グライムブラス天文研究所』

其々の教習所と学習塾は共通の看板には『研究所の人達の家事育児の雑用をしてくれたら利用料金を1割引』

と書かれてた、

3つの施設からの有る電話が来た。

天文研究所の1室に有る礼拝堂、

其処に佇む1人の男の元に有る連絡が来た、

研究所最奥部

「…ふむ『エクスカリバー』や『ムラマサ』の完成には開発では不具合の洗い出しが出来ないからまだ出せないか…なら致し方無い、『ソルド』を出せ、志願者は居るか?なら私が出る」

レイモンド=ジュノ=グライムブラスはそう言うと自らその足で行為室に向かうと専用のパイロットスーツを着て、再現改良機に乗り、

各種スイッチを入れるとハッチが閉じて4面モニターを展開、各種コンソールが展開、

機体の全ロックの解除後、両足裏のローラーでゆっくりと走行を開始して、

有る場所に止まると4本の柱がせり上がりその柱からの稲妻が柱同士を繋ぎ合わせて一瞬光ってその中にいるソルドが消えた、

衛星軌道上

宇宙人の宇宙船の前方数km

光と共にR型ソルドが姿を見せた、互いが武器を見せていざ攻撃が開始された…

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MetalMonster @I-Nameless

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