第2話   出会い 「薫」視点

 何気ない日々を送っていた。いつからだろう、こんな風になってしまったには。いつの日からか昔の記憶が曖昧になっている。両親に聞いたところ、昔は以外にも元気っ子でよく笑っていたらしい。


 いつものように何気ない日常を過ごしながら学校生活を送っていたある日のこと、珍しく雨が降っていた。少し憂鬱な気持ちになりながらも自宅までの帰路に就く。いつもと変わらない道でも雨が降っているだけでこんなにも変わるものなんだなと思いつついつもの大橋のところまで来たとき視界の端に何かが写った。よく見て見るとひとりの少女が雨の中傘もささずに立ち尽くしている。

「綺麗な髪」

いつの間にかそうつぶやいていた。少女の立ち姿になぜか親近感が沸いた。そんなことを思いながら歩いていると、少女が手すりに手をかけ身をのりだそうとしているのが見えた。

「今時、身投げとかありえんだろ」

そうつぶやいた時には体が動いていた。そして少女に近づきとめるように言った



「あんた、なにしてんの」

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ある雨の日、猫を拾って恋におちる 桜木赤城 @KAGA1921

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