ある雨の日、猫を拾って恋におちる

桜木赤城

第1話   出会い 「心」視点

小さい頃は人が死んでも何も思わなかった。

けど、成長していくにつれて、経験していくにつれてだんだんと分かってきた。

 

     こんなにも悲しいものなんだなって。


 

 今日、母が他界した。

「じゃあね、お母さん」

そう別れを告げてその場を去った。去り際に祖父母から母のことや今後のことについて心配されたが大丈夫とだけ言った。

 大好きだった母に笑ってもらうために生きてきた。頑張ってきた。どんなつらいことにも耐えてきた。けど、母を失った今、なんのために生きていけばいいのだろう。そんなことを考えているうちに気づけば大橋のところに来ていた。さらには雨まで降ったいて前進がずぶ濡れになったいた。

「ここから飛び降りたらお母さんに会えるかな」

そんな考えが浮ぶほど、私は消沈していた。そして、飛び降りようとしたとき…



「あんた、なにしてんの」

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