がんばれ町中書店!110円のジュースが…当たり前に戦います

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「生き残りたい!」どこの町中書店でも、フツーにそう思うところ。だからかこの店は、良い感じ(?)な悪知恵で…

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

      ☆

「ああ…。売れ残りが、ハンパない」

 とある町中書店が、なげく。

 「電子書籍が多くて、紙の本が売れないからか?」

 店は、在庫の山。

 「在庫を処理したい!」

 書店には日々、返品が押し寄せる。

 返品は、書店の敵。

 「どうしよう」

 そこで、店員の 1人がナイスアイデア。

 こんな企画が、はじまった。

 「ネットでうちの書店の悪口を書き込んでくれたら、お菓子をプレゼント!」

 これが、ネット世代の若い層に大ウケ。

 すぐに、悪口と反応が集まった。

 「並んでいる本が、古すぎ」

 「トイレの通路が、暗すぎ。おばけ屋敷」

 「店の入口にある自動販売機が、やばい」

 「何?」

 「何?」

 「 1本 110円のジュースが今なら 2本で 220円です!って、書かれている」

 「マジで?」

 「マジで」

 「 110円のジュースが、 2本で 220円?当たり前じゃないか」

 「ほら、やばすぎる」

 「店の中は?」

 「中も、笑えるらしい」

 「どんな系で?」

 裏評判が飛ぶ。

 これで、店が注目されることになった。

 「店を、見にいこう!」

 「トイレが、おばけ屋敷?いってみるか」

 客が増えた。

 が、本が売れたわけではない。

 在庫もなくならない。

 書店の作戦が、続く。

 「良いぞ!本を 1冊買ってくれたら、スタンプを 1つ押そう!スタンプカードがいっぱいになれば…豪華賞品をプレゼント!」

 すると、悪知恵の効く店員が一言。

 「でも、店長?豪華賞品をもらうために、本を買ってスタンプを押してもらって返品をして、また本を買ってスタンプを押してもらって返品をしてをくり返す客が、出るかもしれませんよ?」

 が、店長はニヤリ。

 「心配いらん。手は、打ってある」

自信満々。

恐ろしい本屋です。


  (この話の意味)

悪知恵の働く店員の、言った通り。

 たしかに、「本を買って、スタンプを押してもらって返品をしてをくり返し、最後に豪華賞品をもらう客」が出はじめた。

 が、店長がこう言って、その行為もすぐ止む。

 「スタンプが貯まったお客様には、店がかかえている在庫の本をプレゼントするんだ!返品には、仕返しを!すぐに返品をする悪い人間も、多いからなー」

 …店長、あんたも悪い人間ですぜ。

 エモいなあ。

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