エピローグ:星へ

「お疲れ様! 上手くいって良かった!」

 ハルカは、レグナスの背中を叩いて、喜びと労わりの気持ちを表現した。

「でも将来また、違う天体がやって来るかもしれないよね?

 この先も、ダイソン球を守りたいな」

「そのためには、宇宙船の燃料を、十分に確保する必要がある」

「じゃあ、木星に燃料を取りに行こうぜ」

 とマッテオが応えた。


「取りに行くたびに、燃料が必要だぞ?」

「自動プラントを建設すればいい。採取したガスを送らせるんだ」

「なるほど。いい案だ」

「私も行く!」

 ハルカは手を上げた。


「君も一緒に行かないか」

 レグナスは無表情でミモザに尋ねた。

「あたし? 一緒に? うん、まぁ、いいよ」


          **


 木星行きの宇宙船が出発する。

「私は無理かもしれないけれど・・・次の世代は、太陽を見れるかも」


 太陽を見るためには、太陽光への脆弱性を治さなければならない。

 吸血鬼と人間が協力して、吸血鬼ウィルスの研究が始まっていた。


「でも、それだけじゃない。

 ウィルスの仕組みが解明されれば、人間の寿命を延ばせるかもしれないわ」

「そうしたら、子供たちは、星に行けるかも!」


 2人の会話を聞きながら、マッテオがつぶやく。

「子供たち、に俺の子供は含まれるのかな?」

「頑張ろう。お互い」

 レグナスが、ニヤリと笑った。

 そして、宇宙船のスロットルを倒した。

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夜明けのプラネタリウム 蒼井シフト @jiantailang

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