if 🏸

上月くるを

if 🏸



どつしりと動かざる山ねむりけり

冬眠のあねいもうととあにおとと


耳たぶのツボを探して十二月

極月のエンゲル指数高どまり


悴めり小さきリュックをおろしつつ

一陽来復くふう活かしてあり合はせ


かもしかや出世がしらの同級生

スキー大会キラキラ名前勢揃ひ


午後日ざし道路のひびに冬の草

冬菊のそれぞれ色を尽くしけり


朴枯葉いちまいのこり吹かれけり

風吹けば枯ねこじやらし猫を呼ぶ


いつも if つけたるはなしカーディガン

見てみてと見せに来る子やイヤーマフ


偲ばるるひとになりたき蓮の骨

とりあへず参加してをく闇夜汁


星の入東風むかしは昔いまはいま

ていねいに生きてゐるいま冬北斗


天狼や暮らしもひともつつましく

冬三日月未完のペンを擱くごとし




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