少女が部族の未来を見据え、心決める瞬間。

短編ながら、しっかりと構築された世界の雰囲気を存分に堪能できます。
デラフ族の集落の構造が分かりやすく描写されており、実際にそこを歩いてみたくなるほどでした。

聞き慣れない固有名詞は深く考えずに読み進めれば、その先でちゃんと分かるようになっています。得ていた情報が徐々に色づいてくる感覚は楽しく、少女の目線で、少年との微笑ましい交流も楽しめます。(微笑ましいだけじゃあないのですけれど、これは実際に読んで感じていただきたい!)

他部族とのいざこざ含め、族長の娘である少女と彼女の周囲の人々がどうなっていくのか。今後を想像して楽しめる、余韻のあるお話です。

お薦めします(^^)!

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