第4話 現地人?と接触

精神を落ち着かせてもう一度外へと出ると先ほどと同じ光景が目の前にあった。木々には林檎の実がたくさんなっており、赤く大きく膨らんだ姿は今まさに食べごろといったところだ。


歩みを進めすぐ近くまでより糸つてにとってみる。


「つやが良くてずっしりと重たい。これはいいリンゴじゃないか。」


農地管理で見たときは品質が良くないと出ていたが、これ以上となると神話に出てくるような知恵の実や黄金の林檎とかになってしまうのだろうか?


いや、もしかして品質とは味のことを言ってるのかもしれないな。林檎の表面を服でぬぐい一口かじってみる。


シャク!!


噛んだ瞬間に甘い果汁があふれ出し口いっぱいに蜜の甘みが広がった。触感はとてもよく日本で食べたどんな品種の林檎よりいい味がした。齧った表面を見てみると蜜で真っ黄色に染まっており瑞々しさを強調するかのようにキラキラと輝いていた。


「やっばいなこれ、栄養不足の★2でこのうまさかよ。最高がどれくらいか知らないけど上はもっとうまいのか・・・・目指してみるか最高品質まで!」


「その意気です!!」


「うわっ誰!」


意気込みを語っていると突然同意する声が横から聞こえた。すぐさま横を見ると最初に玄関から見えた小さな羽の生えた生物、つまるところ妖精のようなものが飛んでいた。


「突然失礼します。妖精族のレレノーレと申します。このご立派な木の実、それに慢心せず上を目指す気概気に入りました。私たちもそのお手伝いをさせていただこうと思います。」


「手伝い~?うれしいけど見ず知らずの人?急に言われてもなんと返したらいいか。」


「ちゃんと見返りはいただきます。少しばかり好みを頂けたらと思いまして・・・えへっへ。」


お前それが目的だろ。よだれ落ちてんぞ。ちょっとは隠せ。


「手伝いって言っても俺はこの世界の人間じゃないんだよ。気づいたらここにいて、この世界の過ごし方から見つけていかないといけないから農業はそれが落ち着いてからじゃないとさすがに進めれないんだ。」


「そんなことですか、それなら私が教えてあげますよ。だから同時進行で行けますね。」


「そうだな。それだったら同時進行で問題ないな。っと自己紹介がまだだったな、山本 林太郎だよろしくなレレノーレ。」


「はいよろしくお願いします!」


自己紹介を終えた俺たちは家の周りをぐるっと周りながらこの世界についてのことと生きていく最低限の情報を話し合った。


その後はこの場にいたほかの妖精族とあいさつを交わし今後の子を話した。


まず農地について、水やりは妖精族の魔法で行い、収穫も妖精族のほうでやってくれるらしい。それで取り分だがなんと収穫量の1割でいいらしい。何ともありがたいことなのだが木一本で100ほどの実が取れるので20本もあればなかなかの量だ、小さい体の妖精族にはそれぐらいでちょうどよいのかもしれない。


植樹などもお任せで今後増えていくであろう収穫物についてはその都度話し合いを行い考えていく方向で決まった。ほぼすべてをまかしてしまっているがほんとによかったのだろうか?でも本人たちもこれでいいと言っているからいいんだろう。


その代わり彼らの要望はできるだけかなえてあげようと思う。俺にできるのはそのぐらいだろう。


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(仮)異世界果樹園 @kairanban

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