※読み合い企画からのレビューです
主人公・ホタルが目を覚ますと、そこは草原の真っ只中だった
なんだかんだとホタルは宝飾師の弟子となり、アクセサリーの修理を生業とすることに──という導入から始まる本作品は、バトルもなければ悪人もいない、のんびりのどかで優しい物語だ
異世界転移と言えばのチート能力やざまぁ展開もなく、なんなら普通の人にはある魔力すらないホタルにできるのは、元の世界で趣味としていた宝飾の知識を活かしたアクセサリーの修理だけ
しかし、この世界にはアクセサリーを修理するという概念が存在しないため、ホタルは唯一無二の修理師として働くこととなる
本作品の魅力はと言えば、主人公のホタルを含む登場人物たちだろう
皆、基本的に善人ではあるのだが、決して良い人過ぎるわけでもなく、ホタルが頑張っているからこそ彼女を認め、力になりたいと思う人たちだ
ただただ親切な人ばかりではないところが、作者のバランス感覚の非凡なところだろう
その面白さに、レビュー者は十七万文字をあっと言う間に読まされてしまった
既に完結している作品であるため、一気読みできるのも良い点だ
休日にでもまとめ読みしてみてはいかがだろうか
きっと、あなたの心に温かいものを残していってくれるはずだ
宝飾職人を目指していた主人公が、異世界で宝飾品の修理業を営むファンタジー作品です。
ある日、異世界転移してしまった主人公は、心優しい人物の伝手で宝飾店に居候することになりました。
アマチュアとはいえアクセサリー制作を行っていた主人公は、店主の仕事を手伝おうとします。
しかし、この世界における宝飾店の作成とは、植物などを魔法で作り替える特別なもの。
当然、主人公にノウハウなど存在せず、暗礁に乗り上げてしまいます。
そんな時に聞かされたのは、植物を加工するゆえの脆さ。加えて、修理という概念がほとんど存在しない事実。
魔法が使えずとも、修理なら技術と道具でまかなえる。店の片隅に作業場を設置してもらうと、主人公は実力を発揮し始めます。
彼女の存在は、異世界にどんな影響をもたらすのか。
ぜひ読んでみてください。