第12話

「いたっ!黄花だ!」

 三花は屋上で発見した黄花を目掛けて走り出す。

「待って!三花!何があるのか,わからないよ!」

真帆子の言葉に,三花は立ち止まる。

そして静かに喋る。

「黄花…私だよ…」

三花の声は震えている。

「残念だね。星の子。この子に君の言葉は届かないよ」

屋上に凛とした声が響いた。

「あなたは…里組先輩…」

三花たちは後ずさる。

「なんで…里組先輩…」

「ぼくはね,スターハンターに拾われて,闇に染まっちゃった星の子なんだよね」

三花たちは驚く。

「ウソ…里組先輩が…そんな…」

真帆子の呟きが,真っ暗な空に消えていく。

それでも里組は笑って気を失っている黄花の頭を撫でた。

「なんで…黄花だけ屋上なんだ…?」

「そうだ…いいこと言ったよ…けんた…なんで黄花だけ屋上にいるんだろう」

三花は封印鈴を手にしたまま不思議そうに首を傾げた。

「それは,黄花が宇宙そらの生まれ変わりだからだよ」

宇宙そら?」

「聞いたことあるわ…」

真帆子が難しい顔をして呟いた。

宇宙そら様は,数少ない宇宙の精霊です。宇宙をしきり,宇宙崩壊から救った英雄…星の子全ての能力が使える方ですよね?」

真帆子の言葉に,里組は頷いた。

「よく知っているね。さすがだ…」

里組が感心したように呟く。

「よし!今だ!締め付けろ‼︎」

ふと声が聞こえる。

里組の目が大きく見開かれた。

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星の子っ! Veroki-Kika @Veroki-Kika

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