第3話 危機に陥る剣豪

我はじっくりと透明な板に書かれている文字を読む。

―――――――――――――――    

    名前:白蓮 劔

    種族:人間

    性別:男

    年齢:21

   レベル:72

   ランク:A

   スキル:剣術

       身体能力強化

       武甕槌神たけみかづち

       不老   etc.

 派生スキル:なし

    状態:なし

―――――――――――――――

う~む

よく分からぬが、この"レベル"というものが変わっておる気がせんでも……


それにより"ランク"?が上がっているのやもしれんな


それにしても、この透明の板といい、謎の声といい、どういう仕組みなのだろうか


我はとりあえず、先程焼いていたを食べ、一眠りした。


翌日、我は考え事をしながら歩いていた。


すると突然、森の中から気配を感じた。


その気配の場所に向かって刀を構える。


するとそこには、不気味な笑みを浮かべた小人がいた。


そう、昨日我が倒したあの緑の小人であった。


そして次の瞬間にはすぐ近くまで接近していた。


我はその小人の攻撃をギリギリまで引きつけ回避する。


雷霆らいてい流―雷切らいきり


刀がさやから抜かれると同時に、静電気のようなが物が見え、そのまま小人を切り伏せた。


血飛沫ちしぶきを浴びながらも我は小人を一瞥いちべつした。


すると今度も蒸発するように跡形もなく消えていった。


―やはりこやつも昨日と同じか……


ふとみると、再び紫の石が落ちている。


それから数分間、あらゆる新敵が我に向かってきた。


その内の一つは、緑の小人とは違い、色は赤色で、人の子くらいの背丈であった。


「ガギャ……」


我を視界に捉えた瞬間とき、奇声と共に棍棒こんぼうのようなもので殴りかかってきた。


しかし我は冷静に刀を抜き、そのまま一閃。


雷切らいきり


すると今度も跡形もなく消えた。


そしてまたもあの石が落ちていた。


そやつを倒してから数分というもの、沢山の敵が襲い掛かって来た。


時には数人の群れを成して。


我はそれら全てを斬り伏せた。


戦いが一段落つくと、地には沢山の、そして様々な大きさの紫の石が落ちていた。


「ふむ、この石……仮に"紫石しせき"と名付けるか。これは敵を殺すと必ず出るようだな」


―それと紫石しせきに使い道はあるのだろうか……


要らぬものならば置いておきたいのだが、どうにものぅ


既に我のふところはぱんぱんになっていた。


一応紫石しせきを拾い上げると、また歩き出す。


―それにしてもこの森、中々深いな。そろそろ出口を見つけたいものだが……


そんなことを考えていると不意に目の前に黒いモヤが現れる。


「なんぞ?」


そのモヤは次第に大きくなり、我の背丈を遥かに越えていた。


そして次の瞬間、我に向かっておおかぶさってきた。


「―!雷霆らいてい流―雷切らいきりッ」


何故か刃はくうを斬った。


―!?


そして再びその影は大きくなり、ようやく全体像が見えた。


その姿は、我の背丈の3倍程はある大きさで、頭には大きな牛の骸骨を付けていた。


「なッ……何ぞ、こやつは」


するとその骸骨は、我に向かってを振りかざしてきた。


我はそれを咄嗟に避けるも、その攻撃は地面に当たった瞬間大爆発を起こした。


「――!?」


ドガァァァァンと大きな音を立て爆煙が上がる。


「く……紫雷しでんッ!!」


再び刀を抜き一閃+、その場から脱出。


しかし、骸骨はまたも大鎌を振り回してくる。


雷切らいきりッ!」


我はそれを回避し、そのまま右腕に一閃。


しかし、再びそれはくうを斬った。


「またかッ!?」


すると、骸骨は大鎌を横凪ぎに振ってきた。


「ぐッ……」


我は刀で何とか受け止めようとするも、そのまま横に吹き飛ばされた。


そもそも力量が違うのだ、大鎌VS 細い刀ではどちらが勝つのかは目に見えていた。


「仕方がない、やるしかないか」


死神の前に立ち、ゆっくりと刀を鞘にしまい、つかに右手をそっと置く。


そして目を閉じ、集中力を高める。


するとみるみる内に劔の周りに雷が集まってくる。


いや、劔から漏れ出ているのだろうか……


凄まじい程の電気が蔓延はびこっていく。


辺りが黄色と白色の細かい電気で帯電し始め、その光が空間を照らし出す。


鞘から漏れ出た白く鋭い光りが輝き、バチバチと稲妻が走る。


「――フゥゥゥゥゥゥゥゥ」


深く息をはいた劔はゆっくりと目を開ける。


雷霆らいてい流―霊雷神れいらいしん義憤ネメシス


そして我は左から右への逆袈裟けさ斬りをした。


次の瞬間、大きな爆発と共に凄まじい雷鳴が鳴り響いた。


稲妻は、まるで獣の牙のように辺りを喰い千切っていく。


そして骸骨も成すすべ無く、一瞬でバラバラに散っていった。


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江戸の剣豪、異世界でも無双する〜転生しても我の剣技に死角なし〜 朧月アーク @obiroduki-yakumo

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