竜に育てられた森の案内人からの優しい祝福

竜の加護を受ける王国。それだけでも素敵な物語の展開を想像させるに充分なキーワードです。竜に守られた国とはどんなところなのか。そこにはどんな人々が住んでいて、どんな王家が治めているのか。豊かそうな土地のイメージが浮かびます。
ところが実は今、王国では竜の加護が弱まっていました。
この物語は、竜の加護が薄れた原因を探る旅に出た王女レイトリーンが、彼女を案内する不思議な少年ユレンと心を通わせ、成長していく様子を描いています。

魔法を使えるはずの王族の中で、レイトリーンだけが何の魔法も使えません。それが王女の顔を俯かせていましたが、ユレンとともに森を旅する中で、秘めていた心の強さを発揮していきます。
レイトリーンとユレンはどちらも優しく、そして強い心の持ち主です。2人の優しさと強さは、加護が弱まったという真実の先に待つ困難を乗り越える、大きな力となっていきます。

竜の加護はなぜ弱まったのか。
レイトリーンだけがなぜ魔法を使えないのか。
そして不思議な少年ユレンの“祝福”とは。
優しい語りで紡がれる、心温まるファンタジーです。