第12話 女子テニス部編4

 あたしもこれで中学の部活動は終わり、本来なら特に受験勉強を頑張らなくてもいいのだけど、付属の高校に進学する気持ちは無くなっていて、遠藤くんが通っている高校を受験する為に勉強。


 周りの人たちも不思議がっていたし、先生に相談しても引き止められた。

 でも、両親が後悔しないようにと背中を押してくれたのが、あたしの決意を一層、強くした。

 付属の高校に進学した方が絶対に後悔するって、あの時に分かったから。


 そりゃ、あたしだって遠藤くんに憧れて、一緒の高校でテニス部として活動して、少しは何か起こればいいなぁって気持ちはもちろんあるけどさ。


 それは、あくまでオマケというかご褒美と云うか……。

 高校に受かったとして、出来ればだけど、遠藤くんと混合ダブルスを組みたいなぁ……。

 あたしと遠藤くんが組めば、強いペアになるって確信があったりするから。


 夏休みが終わって2学期になっても、他の生徒が余裕をみせている中、あたしだけが勉強を頑張ってる周囲から見れば、少し異様な状況が続いた。


 家に帰ってから気分転換にラケットを持って素振りしていた時に、ふと思いついた。

 っていうか、何で今までこれに気付かなったんだろう?


 下見と称して、遠藤くんを見に行くと云う事を……。

 ウェアとラケットとか持って行ったら、練習の相手して貰えるかな?

 そんなに都合の良い事はないだろうけど、想像するだけでも何だかニヤけてしまう。


 善は急げ。

 思い立ったら吉日。

 あたしは授業が午前で終わる土曜日に、遠藤くんの学校に下見に行くことにした。


 制服で行った方が良いのかな?

 でも、あの制服だと付属の中学校ってバレるよね?


 遠藤くんからしたら、あの後輩かぁ……。

 とか、イヤな気分にならないかな?

 遠藤くんに逢えるかどうかも分かんないけどさ……。


 でも、私服だと怪しい人みたいだよね。

 色々と悩んだけど、制服で行くことにした。

 もしだけど、学校案内とかされたりする時に、あたしの身分っていうかさ、そういうのはハッキリとさせておいた良いと思ったから。



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ノーパン【だ】から始まった恋 ふー @nakofu

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