復讐者　迷宮糧に　闊歩する

近未来、月面調査で発見された謎の基地の影響で世界各地にダンジョンが出現し、国家体制の崩壊の引き金となる……

この書き出し、プロローグのSF感からして素晴らしいです
未知への探求心、欲望を抑えきれずに破滅に陥るあたり、人間のサガを感じます

本編の主人公は、両親がダンジョンで命を落としたと聞かされ、ダンジョン自体への復讐心から鍛練に明け暮れて育ち探索へと赴くのですが……
スピード感のある戦闘描写もさることながら
出てくる数字がしっかりと考えられていて、リアルで面白い
あと仲間になる直弥が超面白い、創り出すアイテムも面白い

創作系の学者キャラはマッドで弾けた人物が多いですが、直弥は一緒に考えながら戦ってくれてる感があっていつの間にか好きになってしまいます
主人公のヴィクターも最初のうちは辟易としつつも頼りにしているし、直弥が倒されたあとは勝ち目のない相手に全力で突っ込んだりツンデレたまらんです

強さは一人前でも精神的に問題のある主人公と、知力は抜群だけど性格的に問題のある相棒を軸に、ガンガン話も進んでいきます

こちらしっかりとラストまで構成を練られているようで、オススメでした！