勝男タク (生徒紹介#5)

出席番号4番

勝男タク


好きな食べ物 ウエハース(バニラ味だと尚良し)


高校デビューで綺麗なセンター分けを始め、縁は薄くレンズは分厚い眼鏡をかけている。

ゲームとアイドルのオタクをしているが、本当に好きなものは好きなもの同士で共有できればいいと思っているため、ミーハーに優しく寄り添えるタイプ。


だいたい言葉の尻尾には

「やんす」「でげす」「ごわす」

などの三文字の語尾がつき、どうやら自分でも定まっていないらしい。


情報処理研究部に入部しており、ゲームを作る練習をしている。

というのも、過去に兄貴が同じ高校へ進学しており、情報処理研究会でオリジナルのゲームと、どうやったのか分からないがゲーム機までも作って高校の中で小さな革命を起こしたらしい。


キャラクターの割にあんまり出番がないが、いつかクラス長がゲームやアイドルに触れ始めた時きっと出てくるであろう。


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とある休みの日、勝男は兄貴と近くの商店街に来ていた。


「よし、じゃあ服買いに行こうか。」

「久々に帰ってきたのに申し訳ないよ。」


昨日の情報処理研究部はいつもにまして盛り上がった。

文化祭当日、ゲーム大会の呼び込みをする"情報屋枠"をかけて代表者一名を決めていたのである。


「予算で服買っていいんなんて爆アドじゃないの。」

「そうでげ...そうだね。」


情報屋の服装は教師からもらった一万円で買うことになったため、たまたま帰省していた兄貴と共に服屋へ向かうことに。


兄に対して語尾が出ない理由はいまいち分からない。

せっかくの紹介回なのに彼の良さである語尾があまり出てこずに色々タイミングが悪いのは許してほしい。


「...学校は楽しいか?」

「まあ、それなりに。」

「そりゃよかった。」


オシャレに着飾る兄貴は店頭の服を弟にあてがいながら口を開き、弟はされるがままに身体を預ける。


「まさか俺のゲームをするとはな。」

「兄ちゃんは思ってるより凄いことをしたことに気づいた方がいいよ。」

「そうか、これでも結構自画自賛したつもりなんだけどな。」


兄貴は情報処理研究部の中でも群を抜いたコミュ力を持ち、キャライラストは美術部へ、ゲーム内BGMは軽音部へと足を運んだ。

でもどうやってゲーム機を作ったかは何回聞いても一切教えてくれない。


「兄ちゃんは大学どうなの?」

「あぁ、大学は爆アドだらけだよ。」

「...なんだそれ。」


オシャレで勉強もでき、コミュニケーション能力も高い。

本当に血がつながっているのか分からないほど強い兄貴に憧れて入ったが、実際自分が立てた壁はものすごく高いことを知る。


「困ったらいつでも頼っていいからな。」

「...まあ、兄ちゃんがいたら爆アドだよ。」


劣等感を感じるのもおこがましく感じるレベルの差、優しい兄貴は笑いながらレジへと向かった。


「俺の奢りだ、その一万はポッケ入れときな...。」

「マジ?それは爆アドでやん...だね。」


その後しっかり請求され、事情を説明してしっかり一万円を返した勝男...いや、|情報屋"アドバジ"であった。










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どっかのクラス長、生徒記録 佐久間 ユマ @sakuma_yuma0839

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