第39話

「・・・いいの?待ってても・・・

私・・・拓といても、いいの?」







「当たり前だろっ!?

もう離さないって言ったじゃん!

・・お前こそ・・・どっか行くなよ?

他のトコなんか、絶対行くな!」







「うん・・・。ごめん、拓・・・」







「ずっと一緒にいような?

これからもずっと。

いつか・・・う~ん、ま、いいや・・・」







「フフフ。

・・・ねぇ、拓・・・私の幸せって、何だと思う?」







「え~っ・・・なんだろ?」







「拓を幸せにすることだよ。

私が、拓を幸せにしてあげたい。」







「嬉しいけど・・・。

普通、男が言うんじゃない?

幸せにしてあげたい、って・・・」







「いいじゃない、別に。

私、ずっと仕事も続けるし・・・

だからね、拓は好きな事やんなよ。

やりたいだけ、やりたいようにやって。」







「美咲・・・」







「実家出される時、思ったんだ。

もう戻れなくなっても・・・いいって。

それでも、拓のそばにいたかった。

だから、私が頑張る。

拓を・・・精一杯応援する。」







「そんなの・・・」







「好きな事に夢中になってる拓、かっこいいと思うよ?

やっぱり私は拓が大好きだから。」







思い出した。







高校時代、こうやって美咲はいつも俺を応援してくれていたよな?







自信をなくしてる俺に、



「拓なら大丈夫。

美咲がついてるじゃん!」



って・・・







それでも凹んでる俺に、



「美咲が応援してんのに、頑張らないつもり!?」



って・・・







あの頃は、とても応援してるようには思えなかったけど・・・







それでもなぜか、いつも勇気づけられてきたんだ。







美咲に、どれだけ救われてきたんだろう。







そして、これから先も・・・







きっと、ずっと、たくさん・・・







俺は、美咲に支えられながら生きていく。







だから・・・







美咲の手をずっと握っていよう。







離れないように。







美咲を感じていられるように。







美咲にも・・・同じくらい、俺の気持ちが届くように・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

本当にしてあげたかったこと @mimi23

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る