第1章
パート1・翔射嘩(かいか)・横浜へ
☆
起・横浜へ
承・歩きながらホテルへ
転・なにか異変を感じて、矢を放つ
結・そして、これからの日常が始まる
☆
・4月1日の午後3時。
横浜駅の中をうろつく女性、今作の主人公である【創陣 翔射嘩(そうじん かいか)】がいた。
黒のレインウェアを羽織り、左肩に茶色いカバンをかけて、紺色のスーツケースを右手で持っている。
茶髪で、肩よりも下の位置まで伸びていて、寝ぐせのウェーブがかかっている。
天井から取り付けられている案内板を見て、ある字を探す。
「あった【みなとみらい線】ってことは、こっちだね」
指示していた方向へと歩いて行った。
・ホームで電車を待つ間、みなとみらい線が止まる駅の一覧を眺める。
そして、手のひらより少し大きめな横浜の旅行雑誌をスーツケースの前ポケットから取り出した。
あるページを開いて左手で持ち、服のポケットに入っていたスマホを取り出し操作する。
心の声 〇
予約したマンスリープランのホテルの名前は、【ホスリーホテル】。
部屋のランクは、一番安いビジネス。
受け付けは、5階。 1階から4階まではお店やいろんな施設があるっと。
最寄り駅は、みなとみらい駅か桜木町駅だから、この【みなとみらい駅】で降りるっと。すぐに着きそう。
ホテルの場所は、この辺り。
そんなに迷う感じじゃなさそう。
大丈夫!! ちゃんと、たどり着けるはず。
心の声・終
電車が到着するアナウンスが流れて、旅行雑誌と白線の手前に移動して待つ。
目前にドアが現われて開かれて、乗り出した。
(いざ、みなとみらい駅へ)
☆
みなとみらい駅に到着し降りて、エスカレーターに乗って昇っていく。
どんな景色が広がるのだろうと、少しワクワクしているようであった。
改札口を出て駅構内を観察しながら、目的地に近い出口番号を目指していく。
「結構、きれいだなぁ」
出口の階段を上り、外に出て旅行雑誌に載っていた地図が記されているページを開きつつ、スマホでホテルまでのナビを設定し歩き出す。
(なんかこう、空間が広く感じるかも。
えぇっと、こっちの方角を進んで、この辺りの施設の近く・・・)
「あった☆ ホスリーホテル・・・」
エレベーターで5階まで昇り、受付のフロアへ降りる。
(おぉ~☆ 天井が星空になっていて、プラネタリウムみたい
藍色の空がラピスラズリの宝石色っぽいかも)
・受付スタッフ
「いらっしゃいませ」
・翔射嘩(かいか)
「あのマンスリープランを今日から予約した、創陣 翔射嘩(そうじん かいか)といいます。これが予約した時の詳細です」
スマホで予約を受け付けたページを開く。
・受付スタッフ
「確認しました。問題ありません。
部屋をご案内いたします」
そうこうして、受付を終えて案内された部屋に無事たどりつき、ほっと一息つく。
☆
心の声 〇
「ふぅ~。 ホテルの受付って緊張するんだよなぁ」
(キラキラした空間で大人っぽいというか気品があるというか、庶民の私じゃ場違いなんじゃないかって思っちゃうんだよなぁ。
受付で手間取ってしまったり、ヘマしたら恥ずかしくなって、その場から消えたくなっちゃうし)
「でも無事に済んだし、良しとしよう!!
横浜かぁ・・・。 景色はどんなんだろう」
窓のカーテンを開けると横浜の景色が広がった。
「あっ!! 観覧車だ☆ あとあの赤茶色の建物は、よく聞く赤レンガ倉庫かな」
心の声 〇
結構、良い位置にあるホテルなのかも。
新築ホテルでオープンしたてってこともあり、割引サービス期間になってたから、ここにしたけど当たりかも☆
これから、ひとまず1か月はここで過ごせるわけだけど、その後は継続できるか、仕事が安定するか、長らく住む賃貸アパートかマンションを探せるかどうか・・・。
出来なかったら、今度こそ都会暮らしが途絶えちゃうからな。
頑張って、しがみつかなきゃね。
憧れの都会暮らしだもん。
大阪や東京も良かったんだけど、横浜も気になってたからね。
拠点が決まって、仕事が安定したらいいんだけど・・・
主に派遣会社の単発系の仕事でしのいでいたけど、まだ不安定。
都会用に用意した貯金はあるし、本当の貯金もあるけど、なるべく崩さずに行きたいところ。
「がんばろう!!」
☆
部屋に用意されていたコップと紅茶のパックを取り出し、ポットでお湯を沸かし、少し水を入れて温度を調整する。
自分の飲み頃の紅茶に仕上がり、ゆっくり飲んで窓の外を眺める。
すると、何か怪しげな影を見つける。
良い感じはしない。
身に着けていたネックレスを取り出し、付けられていた水色の宝玉に話しかける。
「レパさん!! 魔力化してくれる?」
「レパ レパッ☆」
すると水色のカラーリングのレッサーパンダに変化して、魔力を
「バリア付き・エブリバトルウェア」
そう唱えると変身アニメのように、衣装が変わった。
窓の外に、魔力で出来た白銀色の弓矢を出して、集中力と調整と威力を上げていく。
周りの人からは、その弓矢は見えないようになっている。
そして、影に矢を放つと、浄化されていくように消えていった。
「ふぅ~。 これで良かったかな?」
(これから、どんな日々が待っているかな。
願わくば、平穏無事に一日一日を送れるようになるといいな)
改めて横浜の景色を眺めて、そう思うのであった。
【いばフリ】いばらみちフリーダム劇場・我茶和茶(わちゃわちゃ)HO10CO☆URSE(ほっとコース) co10ho/ことほ @mihomimi
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