どこまで、はなしていいですか……?
明鏡止水
第1話 いろんな方と毎日と
その昔、まだ明鏡止水が無防備で金欠で世の常識を知らなかった頃。
夏の日。レジで首元のゆるいTシャツに下は金欠と暑いからインナーも無しに下着で接客しておりました。汗染みとか嫌でしたし。
完全にゆるゆるです。首元が、ホントに。サイズ的な問題で。その年はざっくりとしたTシャツが流行っていた。
そしたらね、お客様達がギョッとするわけですよ。
下着が襟から丸見え。
「ありがとーございまーす!」
と前屈みで買い物かごをつかんだら、ある時ケータイをコチラに向けた男性が、意味ありげに
「アリガトウゴザイマス」
と。
あとから気づいたのです。自意識過剰かもしれないけど。あのお客さんに至っては、……盗撮、では?
だからと言って凹むわけでもなく、周りには「お金なくて中に着るタンクトップとか買えないっす〜!!」と強がってました。
そんなある日。今度は大学生の女の子が堂々とカメラを向けられ、カシャッ!! と撮られたそうです。季節は秋冬。特に華美な服装や髪型をした子ではありません。
……許すまじ!! 盗撮!!
そんなこんなで、勝手にお写真撮られて、じゃあ、どないすんねんと。とにかく、阿呆がいるもんじゃ。勝手に撮るな。撮っていかがわしいことに使うんか。くっ! みたいな。
そんななか、明鏡止水。
いまさらですが。
お仕事で写真撮られちゃったかもしれません。
私のさ、介護の対応がまずかったというか、色々重なってしまったのだけど。
さっき対応したのはあんたか。(中略)写真撮ったからな。息子達にも言うぞ。
と……。気にして、ないです。
対応は確かに私も至らない点があって、その。
ほんとに、お仕事のことなので詳細は書けないのですが。
利用者様のご家族にロックオンされてしまった。
ふざけた物言いがしたいのではないけれど。
私の写真を撮ったのか、それとも私の不手際の証拠写真を撮ったのかはわからないけれど。
……なんだろう。
そうくるか。
こっちは下着を盗撮(?)されたかもしれない過去を持つ女。
ビビらん。
ビビる、ビビらないじゃなくて、利用者様とそのご家族との対応・信頼関係・理解の問題ですが。
ほほう。
お仕事、大変なことになったり。
いや、詳しいこと書いてないでなんのこっちゃ、って感じだと思いますが。
とりあえず、人と接する仕事だ、と言い聞かせて。
常に誰かに見られている、と言ったら病気になりそうだから、そうだなあ、いつ誰が見てても優しくて、安心安楽安全な介護を目指していこうという私に。
まさかの利用者様ご自身以外の方からの怒りの鉄槌。
上司の方とか事務所の方とか、先輩も対応してくださって、助けてもらって。説明も受け。
「気にしないで」
と言ってもらえたので。
反省点はしっかり。人を見て。これからも邁進していきます!
びーびー泣くタイプでもないし、写真撮られて利用者ご家族総出で責められてもビクともしないぞ、私は。
どこまで、はなしていいですか……? 明鏡止水 @miuraharuma30
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。どこまで、はなしていいですか……?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
「天国」はわからない/明鏡止水
★6 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます