最終話

わかば探偵事務所は今日も平凡な朝だ。

妻の淹れてくれたコーヒーを飲み、新聞に目を通す。

主な記事は今夜のバラエティ番組と社会欄の4コマ漫画だ。


自動扉が開き、若い女性が現れた。若い、とは言ってもまだ10代くらいの少女である。

彼女はおずおずと「あの…、ネコを探して頂く事は出来ますか?」と訊いてきた。

若葉は応接テーブルに案内して

「どの様なネコですか?」と尋ねる。

少女は一枚の写真を取り出した。

「三毛猫なんですけど。名前は『トラ』といってオスの猫です。この写真は少し前の物なんですけど。

今は赤い首輪に、黄色の鈴を付けてます」

…ほう。それで体が青いかったらまるでド◯えもん…。三毛猫でよかった、と若葉は思ったが

「分かりました。大丈夫ですよ。きっと捜し出して、あなたの元へお返しします」

と笑顔で応え、この分野に長けている新しい従業員を呼んだ。






                  ―完―

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わかば探偵事務所(仮) 北前 憂 @yu-the-eye

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