第2話神様、、?
先輩の天使?に手を引かれて、神様のいるところへむかう。
「ついた。ここですよ。」
「うわぁ、、、」
そこには、すごく美しい宮殿が――——―無かった。
代わりに、みすぼらしい小さな家があった。
「えっと?何かの間違いですか?」
「っははっ、、みんな最初にここに来たときはそういう反応しますよ。私も最初来た時、冗談かと思ましたもん。ははっ、、。」
いや、天使さん、笑い事じゃないと思うんですけど。天界の神様の住む立派で美しいみんなの夢と希望が詰まった宮殿はどこにあるんです?まさか、目の前にある古っぽいぼろぼろのみすぼらしい家がそうだとでも?
「えっと?」
「本当ですよ。本当にここは、神様が住む家です。」
「なぜにこうなったんですか?」
「いやー、なんかね、ぶっちゃけ言っちゃうとさ。この間の大戦でさー天界側の勇者がさ、負けちゃったわけよー、でさ、魔界側の魔王が勝っちゃったのよ、そしたら戦争賠償額要求されちゃってさー、そんでそれ払ったら天界の国庫の中身はすっからかんになっちゃってさ、で、神様の家さえもこんなおんぼろになり、私たちの働いてもらえるはずだった給料は神様のために働くことができる幸せ、だってさ。金もらえなくなった。ははっ。最悪だね。」
さっき給料がないと言っていたのは天使は何も食べる必要がないからではなく、普通に天界のお金がないからなのか。というか、勇者と魔王が戦って魔王が勝つとお金要求されるんだ。知らなかったわ。天界、ブラック企業と化してるじゃん。やば。
「まじで?」
「まじー!天界ってホワイトなイメージだったでしょ?でもざんねーん、ブラックでしたー!」
天使さんはもはや目の焦点があっておらず、正気ではないようだ。ブラック企業に勤めるとこうなるのか。なんと哀れなのだろうか。これから私もこうなるのか。
ていうか、ため口になってるし。まあいいか。向こうの方が先輩なんだし。
「さてじゃあ中、入るか?」
「はい。」
天使さんにそう言われて、中に入った。すると、その建物の中にはお酒を飲んで、酔っぱらっているらしき人(?)がいた。
「えーっと、酒神様、新しく天使になった子、連れてきましたよ。」
え?この目の前にいる酔っぱらっている人が神様??
「あー、、あ!そうだったね、今日だったわ。忘れて、、、、、なかったよ。別に。決して、忘れてたわけじゃないよ。ただーほら、やっぱ自分ってお酒好きだからさ、ちょっと飲んじゃってただけでー、あ、そうだ、今回何の用でここに来たの?」
「あ、えっと。初めまして、新しく天使になったレジナです。仕事をもらいに来ました。」
私が自己紹介と、要件を言うと、
「あー、仕事?えーっとねー、なんだっけ。」
そう言って座っていた座布団の下にあった、紙を取り出して見ている。
「あー、、そーだそーだ。君にはねー、天界の全体的なシステムとかを管理したりしてる企業に勤めてもらおうかな、うん。ラムちゃん、案内してあげて。地図これね。」
そう言って、私の先輩天使に紙をわたした。先輩天使、ラムという名前だったのか。
知らなかった。これからはラム先輩と呼ぶようにしよう。
「はい、酒神様、お酒はほどほどにしてくださいね、そうでないと、あの方から怒られてしまいますよ。」
ラム先輩がそう言った瞬間、酒神様が驚いたようにラム先輩のほうを見て、
「ああ、、そうだね。」
と、つぶやいた。その姿はどこか、寂しげでもあった。いったい何の話なのだろうか。
「さて、行きましょうか、レジナさん。」
丁寧な口調のままで私に話しかける。
「はい!ラム先輩!私のことは呼び捨てでいいですよ。」
「うん、わかった。レジナ。」
今度はため口になって呼び捨てになった。
この日としょっちゅう口調変わるなぁ。大丈夫かな、本当に心配。。
そう思いつつ、ラム先輩についていくと、働く場所についた。
転生少女、天使になった。 藍無 @270
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