『火口投下』
やましん(テンパー)
『火口投下』
ちょっと未来の日本
~阿蘇即決裁判所~
裁判長
『次の被告を呼べ。』
廷吏
『は! ナンバー 24の112。やましん。はいりませ〰️〰️〰️〰️』
ひもにつながれたやましん、入廷。
裁判長
『検察官、論告求刑せよ。』
検察官
『はい。被告、やましんは、複数の『ねっとり小説さいと』にて、政府や政府要人に対するとおぼしき、皮肉、やっかみ、いやがらせ、泣き落とし、自傷的な発言、その他の行為におよび、これは、国家、ひいては、地球の平和を脅かす行為である。これは、『新型刑法528条違反』にあたりまして、断じて許しがたし。よって、死刑を求刑します。』
裁判長
『では、弁護人さん。』
弁護士
『そらまあ。裁判長はん。そんなんでいちいち死刑にしていたら、それにかかる費用が、ばかになりませんによって、終身無賃労働の刑に処すべしと思量しますだ。』
裁判長
『よろしい。では、被告、釈明せよ。その後、ただちに、判決申し渡す。』
やましん
『はあ? なんと、早すぎだ。』
裁判長
『ここは、即決裁判所である。早いのが信条。』
やましん
『遅決裁判所を希望します。』
裁判長
『却下する。審理は終了。判決。被告、やましんを、阿蘇火口投下の刑に処す。すみやかに実行される。』
やましん
『無茶苦茶だあ。反対。控訴、または、上告します。』
裁判長
『即決裁判所は、きれいに、即決。控訴、上告なしよ。』
廷吏
『きさま、だまれ。』
やましんの口に強力テープを張る。
やましん、裁判所内の小さな部屋に入れられる。
すると、部屋は、裁判所の建物から遥かに延びだして行き、ついに、阿蘇山の火口の上にまで到達した。
やましん
『なんと、凄まじい風景。絶景かな。』
スピーカーから声がした。
アナウンス
『辞世の句をどうぞ。』
やましん
〽️ 『あその火に
身を投じるか
うつせみの
わが一生に
意味はなきかな。』
裁判長
『では、執行人、傍聴者に説明を。』
執行人5人。
『は。スイッチ準備。これを、一斉に押しますと、床が外れまして、被告は阿蘇の火口に落ちます。以上。』
傍聴者
『わお〰️〰️〰️😁😂😃😍😰』
裁判長
『では、……〽️ ときのながれは、むじょうにして、はるかにつづけども、わがじんせいは、はかなきものよ。いずれちるなら、いましかないよ。みごとに火の山に身を投げ入れ、つみをけしさるがよい。いざ!』
その時である、普段なら、必ず前兆があるはずの火山が、突然鳴動し始めた。
『噴火警報。噴火警報!』
激しい音が響き渡った。
裁判長
『処刑、中止。全員撤退を!』
そこにいた凡ての人々が、退避を開始したのである。
被告やましんは、裁判所に回収され、真っ先に、特殊高速ヘリコプター『マイナス・ザイン』の貴賓席に乗せられて、即刻避難した。
おしぼりや、食事も提供された。
他の人たちは、ロープウェイで避難し、裁判長だけは、高級自動車で待避したのだ。
やましん
『なんで、ぼくだけ。良い待遇なの?』
廷吏
『あんたさんは、阿蘇の火口に投入される判決ですぞな。それ以外の死にかたは、許されないので、実行されるまで、大切に保護されますのや。』
ああ! しかし、阿蘇の噴火は、収まらなかった。
やがて、外輪山付近がぐるっと噴火して回り、ついに、カルデラ噴火に至ったのである。
九州、四国、本州は、火砕流と火山灰に覆われて、生活不能となり、やましんは、唯一生存可能な北海道の北端に移動したが、処刑は無期限執行不能となったのである。
しかし、実態は、さらに過酷であった。
どうなる? やましん。
🌋
おわり
🐼🙇🐻
『火口投下』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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