魔王と勇者、笹塚に立つ(7/7)

 その日のマグロナルドはた駅前店の売り上げは散々だった。


 今日きように限っては、はっきりと自分に責任がある。


 全ての被害を元通り復旧し、広域さいみんで何も無かったかのように装ったにも関わらず、やはり『この辺で何かぶつそうなことが起こった』という印象が心のどこかに残ってしまった周辺住民が、外に出かけてくれなかったのだ。


 千穂は終始げんで、全く真奥に近づこうとしない。真奥はそれをルシフェルとの戦いや、それ以前の恵美との間の誤解が原因と考え思い切って声をかける。


「なぁ、ちーちゃん」


「……なんですか」


 声が冷たい。魔王であることを恐れられているわけではないようだが、そうすると、ここまで不機嫌なのかが分からない。巻き込んでしまったことを怒っているのだろうか。とにかくこのままでは仕事に支障が生じる。真奥は思い切って千穂に言った。


「俺の力があれば、その、いやな記憶だけ消すこともでき、る……ぞ」


 裏目に出たことはセリフの途中から分かってしまった。聞いた途端、千穂はひとみうるませて泣きそうな顔になったからだ。言葉がしりすぼみになってうろたえる真奥をほとんどにらむようにして見上げる千穂。


「嫌です」


「へ?」


おうさんのバカっ!」


「えええええ?」


 全く予期しない反応だった。その後はそっぽを向いてしまい、その日の仕事が終わるまで真奥と全く口をきくこともなく、


「お疲れ様でした。また、次のシフトで」


 と言って午後十時にあっさりと帰ってしまった。


 情けないかな、真奥さだには魔王サタンとしてのなどかけらも見受けられず、女子高生の複雑な心境が分からないままその日の勤務を通常通り終えてしまった。


 しょんぼりしながらデュラハン号をこいで家路をたどると、あのレストラン前の交差点に、が立っていた。あらかじめ申し合わせていたように、恵美と真奥はお互いを認めるとわずかに間合いを置いて向かい合う。


「……よう」


「軽いわね。これでも宿敵同士のたいよ……なんでちょっと元気ないのよ」


 私服姿の恵美は、か手を後ろに組んだまま尋ねてきた。何かを持っているのだろうか。


「なんでもねぇよ。それよりこんな遅くにどうした。今日きようは終電無くなっても泊めてやらんぞ」


「そうなったらタクシーで帰るわよ。今日は財布もあるし」


「な、なんてぜいたくなんだてめぇ。深夜は三割増じゃねぇか」


 むなしい会話をひとしきりしてから、真奥はデュラハン号から降りる。殺気やおんな気配は無いが、二人ふたりの会話がデュラハン号越しに行われるのはデフォルトだ。


「で、今日はなんだ? お礼参りか?」


 茶化すつもりで言ったが、恵美の口から出た言葉は意外なものだった。


「千穂ちゃんに変なことしなかったでしょうね」


 真奥は虚を突かれて鼻白んだが、複雑な色のためいきとともに言う。


昨日きのうと今日のいやな記憶消そうかって言ったら、バカって言われた」


「……はぁ?」


 真奥は恵美の声の意味を分かっていないようで、


「俺何か悪いこと言ったのかな。それから一言も口聞いてくんなくて」


 そんなことを言ってまた肩を落とした。


 千穂の気持ちを知っているくせに、むべき段階を全てすっ飛ばしてそれを言ったのだとしたら、相当デリカシーに欠ける発言である。恵美はあきれるしかないが、それを忠告してやる義理も無いので本来の用件を切り出した。


「あなた、帰るつもりあるの?」


「……前もそんなような話した気がするが、またどうした。帰る気なら満々だぞ」


「そう。まぁ、私は今のところいつでも帰れる身になったわけだけど」


「ん?」


 わざとらしく明るい口調で、自慢げに話す


「これからはゲート制御のためにせいほう回復の手段をあくせく探す必要も無いし」


「おいコラ」


「バイトも適当にこなして、気が向いたらいつでも向こうに帰ればいいんだけど」


 でも、と恵美は厳しい表情を作っておうを見る。


「ただやっぱり気になるのよ。魔王が生きている限り、私は勇者であり続けなければならない。あなたがこっちに残り続ける以上、私はあなたを追う義務がある」


「いやだから、そんな義務は放棄してもらって構わないっつってるのに」


「またルシフェルやアルシエルを使って何かをたくらまないとも限らないし。だからあなたがエンテ・イスラをあきらめるか、私に倒されるかしない限り、私は向こうに帰れないのよ」


「……つまり帰れるにも関わらず、こっちに残るってことか?」


 持って回った言い方だが、要するに真奥が日本に残るなら自分も残るといっているのだ。恵美は少しだけ真奥から視線をらして、みように言い訳がましく言う。


「向こうのお偉方に何を思われてても別に気にはならないし、こっちの友達といきなり別れるのもアレだしね」


「アルバート達が納得すんのか?」


「魔王を野放しにはできないってね、分かってくれたわ。アルバートもエメラダも、向こう側から私を支援してくれることになったの。こっちで保管しても問題ない形でせいほうを補充する手段を送ってくれることになったわ」


「野放しって、俺はケモノか」


モノじゃない」


「そりゃそうか」


 納得してしまう真奥。


「で、どうする? 俺の魔力はほとんどスッカラカンだ。ここでやるのか?」


 恵美の言葉をそのまま受け止めるなら、今真奥を倒せば恵美はなんのうれいもなく即座にエンテ・イスラに帰れることになる。真奥はいつしゆん緊張をにじませた。


 だが恵美はこのせんざいいちぐうのチャンスをいつしようす。


「何度も言わせないで。私は勇者よ。正々堂々正面から全力のあなたをかんなきまでに打ち倒すチャンスが来たらそうさせてもらうわ」


 まるで日本で再会したあの雨の昼に見た、太陽のようながおで言われて、真奥は鼻白んだ。まさかそんな顔を見せられるとは思っていなかった真奥は、わざとぶっきらぼうに返す。


「ならお前、なんでまた俺を待ち伏せしてたんだよ。そんなこと、俺に教えたってお前にはなんの得も無いだろうに」


 すると、一転困ったような表情になったは口の中をしばらくもごもごさせ、


「え、ええっと。そうね、その、まぁ話はついでよ。ついで。あなたは労せずして敵の情報を手に入れたのよ。文句言われる筋合いは無いわ」


 みながらそんなことを言いはじめる。おうはワケが分からない。


「いや、そりゃそうだが、だからそれがついでなら本来の用事はなんなんだっての」


「っ~~……」


 恵美は何かを言いだしあぐねているようだ。なぜかその姿が、しん宿じゆくアリタ前で見せた千穂の姿に重なった。手をつないで欲しいと言った千穂の姿に。


 だが、恵美から真奥にそんな友好的な申し出がでるはずがない。と、ここで初めて恵美は、後ろで組んでいた手を前に出した。その手に何やら長い棒状のものが握られていて、いきなりそれを真奥に向かって突き出すではないか。


 すわ聖剣か、きようかと身構えて身を引いた真奥は、


「……?」


 自分の眼前に突きつけられている物を見て、首をかしげた。


 それは、かさだった。


 顔をしかめながらも真っ赤にしている恵美が真奥に突きつけているのは、新品の紳士用雨傘の柄だったのだ。真奥も知る高級百貨店の包装紙が巻かれており、有名紳士服ブランドのロゴがに刻印されていた。


「か、かさ? え?」


「この前、私……その、貸してもらったの、捨てちゃったでしょ。よく考えると、悪いことしたなって思って……」


 そう言えば、を勇者エミリアと知らずに貸したビニール傘は、おうを魔王サタンと知った恵美に捨てられてしまったのだった。要するに、これはあのときのお礼なのだろうか。


「言っとくけど!」


 どうしていいか分からない真奥を、恵美はきっとにらみつけた。


「私は、受けたおんを返してるだけなんだから! 魔王に傘を借りたなんて不徳不名誉もはなはだしいけど、受けた恩をあだで返すのはそれ以上にずべき行為だと思ってるだけなんですからね!」


 ほとんどさけぶようにそう言うと、傘の柄を真奥のはなづらにぐいぐいと押しつけてくる。


「さ、さっさと受け取りなさい! こうしてるの重いんだから!」


「あ、ああ」


 手に取ると、恵美は持っていたはしを真奥に投げつけるように手放した。今まで真奥が手にしたことのないような重みのあるウッドグリップ。傘布は厚みのあるつややかな生地で出来ており、その上かられる骨も頑丈な造りのようだ。チャコールグレーを基調としたシンプルな色はどんなファッションにもマッチしそうで、広げれば大人二人ふたりはゆうに入れそうなサイズである。


「お前、これ高かったんじゃないのか?」


「本当にな魔王ね。普通そんなこと聞く? 五千円程度、大した値段じゃないわ」


 真奥はそのあっさり言い放たれた予想外すぎる値段に腰を抜かしてしまった。


「ごっ……!? お、お前たかが傘ごときに五千円ってそんな……俺がお前にやったの、近所の郵便ポストにひっかかってたの拾ったやつだぞ?」


「うるさいわね! 私に言わせれば、永遠の宿敵が拾い物のボロ傘使ってるのが耐えられないだけよ! 魔王なら魔王らしく、自分に合ったもの持ちなさいよね!」


「う、む、それは一理あるが……しかし、そっか、五千円かぁ。すげぇなぁ。とてもあのボロ傘と同じカテゴリーの日用品とは思えない。包装紙取っていいか?」


「あなたにあげたものよ。好きにしたら!?」


 恵美はもう真奥のことを見ていない。腕を組んで顔をしかめたままそっぽを向いている。


 真奥はテープを丁寧にはがして包装紙を畳みポケットに入れると、傘を広げた。


「おおでっけぇ! しかも頑丈そうだ! 今まで俺が使ってたのは傘じゃなかったんだな!」


 感嘆の声を上げてはしゃぐ真奥。その姿を横目でいつしゆんだけ見た恵美は、ほんの少しだけ満足そうに、くちびるはしを上げた。


「……それじゃ、私の用は済んだから」


 そう言って、恵美は真奥に背を向ける。その背に真奥の声がかかった。


「そっか、わざわざ悪かったな、ありがとな」


 魔王である彼の口から放たれる礼の言葉。か、それだけはの胸の中にストンと納まった。だから恵美は、一度だけ振り向いた。


「言い忘れたわ」


「ん? なんだ」


 そのとき微笑が浮かんでしまった理由は、きっと永遠に分からない。


「きちんとちゃんと仲直りしなさいよ」


 まさかそんなことを言われるとは思わなかったので、目を丸くしたまま返答にきゆうしてしまい、そんな様子を見て満足したのか恵美はほほんで再び背を向けた。


「じゃ、またね」


 そしてやみの交差点で互いに背を向け、勇者と魔王はそれぞれの家路に着いたのだった。






「あ、お帰りなさい魔王様、今日きようの夕食は薄焼き卵ですよ」


「そこはうそでもいいから厚焼きって言っとけよ」


 体力だけはすっかり回復したあしがアパートで待っていた。芦屋はおうの手にある真新しいかさに素早く気づきりゆうを逆立てる。が、真奥はそれを予測していてせんを制した。


「もらいもんだ! もらいもん! 家計から出したわけじゃねぇよ!」


「もらい物? 魔王様にそんな高そうな傘をくれる聖人のようなとくがいるのですか」


「遠まわしにヒドイこと言われた! アレだ、情けは人のためならずってやつだよ」


 言うと真奥は、玄関にそっと傘を立てかけた。今までのように、乱暴に放り出していい傘ではない。今度傘立てを買わなければ、と心の中で思った。


 ふと真奥は、じっとりとした視線に気づき顔を上げる。ばさばさの長髪で小柄な、どこにでもいる日本人の姿となって隅っこに正座しながらもそもそと卵焼きをかじっているルシフェルだった。


 真奥と目を合わせたままそれでも口は開かない。真奥はつまらなそうに言う。


「お前どっか行くアテあんのか」


「……あったらこんなところで卵焼きなんか食べてないよ」


「そりゃそうだ。考えてみりゃ、お前日本でもお尋ね物なんだもんな」


 オルバがどうなったか知らないが、もし強盗の罪を問われたら、共犯者であるルシフェルのことをだまっているとは思えない。


 日本の警察がすぐにオルバの言うことを真に受けて動くとも思えないが、あやうい立場であることに代わりはないのだ。


「一つ聞きたいんだが、お前どうやって恵美の職場の、恵美のパソコンにアクセスしたんだ?」


「……え?」


 ルシフェルは首をかしげる。


「事と次第によっちゃお前、色々できるようになるかもしれねぇぞ。俺の力を取り戻すのに協力すれば、助けてやってもいい」




    ※




 それから日本の、東京の、しぶの、ささづかには、おうにとっての非日常的な日常が戻ってきた。


 真奥とあし二人ふたりは戦いの翌日の午前中、大家の宅を訪れた。やはり二人ふたりとも、自分達の正体を察しているらしい、色々な意味で人間の規格を外れた大家が何者であるかは気になっていた。


 とともに地震警告のメールを送ってきた正体不明の送信者も、全てを見通していた様子である大家である可能性は非常に高い。


 恐る恐るインターフォンを鳴らした時には大家とひざを交えて話す覚悟でいたのだが、待てど暮らせと家人の返答はなく、やがて芦屋がもんに一枚の紙がられていることに気づく。


『ミキティよりヴィラ・ローザ笹塚入居者様へ 所用にてしばらく海外に参りますので、御用の際は下記の不動産管理委託会社まで』


 二人が顔をしかめたのはその事実に対してではなく、その紙の最後が大家のものとおぼしきしんのキスマークで締められていたからだ。


 海外ということは、しばらく戻ってはこないのだろうか。あの体と外見で、きよう扱いされて空港の税関で止められたりはしないのかと、いらぬ心配が頭をよぎる。


 真奥はその日もバイトのシフトが昼から入っており、夕方に現れた千穂はまだ少しぎこちないながらもいつもの千穂に戻っていた。


 芦屋は家で掃除と洗濯を済ませてから美術館とスーパーを巡るゴールデンコースだ。






「おっはよー今日きようは何事もないといいね」


 その日は出勤するや、そんなことを言って恵美を茶化すがいた。恵美は梨香の顔を見て、


「梨香……実は……」


 謝りながら、昨日きのう、梨香と別れてから事故に遭って借り物のブラウスをボロボロにしてしまった、と話した。梨香は怒りもせずに苦笑する。


「ほんとだ。よく見たらあっちこっちあざが……恵美、よく死なないね」


 ルシフェルとの戦いが決着した後、恵美はえて戦闘中に負った傷を全て治さずにいた。前々日には地下道のほうらくに巻き込まれて大をしたというのに、たった二日でれいに傷が消えているのは流石さすがにおかしいからだ。


「使い古しだから別に気にしないでいいんだけど、の気が済まないって言うなら、今日きようはお昼ご飯の行列に付き合ってもらおうかな」


 そう笑って恵美の肩をたたく。恵美はほっと胸をで下ろして了承し、当たりさわりのない会話をしているうちに始業時間となる。


 朝礼メールをチェックする暇もあればこそ、いきなり恵美のブースに着信があった。頭を仕事モードに切り替え電話を取る。


「お電話ありがとうございます、ドコデモお客様電話相談室担当、がおうかがい……」


『おーすげぇ! 本当にかかった!』


「……は?」


 聞こえてきたのは、耳に慣れてはいるけど、みたくない声だった。


『おーい恵美ー、聞こえるかー』


「っっっ!」


 恵美はいつしゆん息が詰まり、頭に血が上ってしまう。


『いやー、ねらちって本当にできんのな。これ思ったより使えるかもしれねぇや!』


「一体なんのつもり!? 私今仕事中なんですけど!?」


『そう怒るなって、実験だよ実験』


「なんの!?」


『ハッキング』


「は……っ……え?」


『いや、うるしはらがお前のブースに直接アクセスできたのはネカフェからお前の会社の管理コンピューターにハッキングしたからだって言うんだよ。で、うちにパソコンがあればもっと色々できるんじゃねぇかって思って、俺はクレジットカードの分割払いで初めて高価な買い物した』


 恵美は自分のこめかみが脈打つのを意識しつつもとめることができない。


「色々聞きたいことはあるけど、まず誰よ漆原って!」


『ルシフェルのことだよ。あいつ意外とコンピューターできんのな』


「知らないわよ! なんの話よ!」


『いや、最初は気心知れたやつのところの方が安全だと思ったからさ、じやしてわりぃ』


 まったく悪びれないおう。恵美はドンドンとデスクをたたく。


「気心知れた!? フザけたこと言わないで! なんで私があなた達と……」


『いいじゃん、俺に対等にぶつかってくる顔みってお前が初めてだからついな、悪い、んじゃな』


 一方的に言いたいことを言って真奥は電話を切った。


 恵美はやり場のない感情を爆発させることすらできずうめいている。


「ちょ……、どしたの?」


 隣のブースから恐る恐るが問いかけてきた。


「なんでもないわよ!!」


 恵美のれつぱくの気合とともに放たれた声は、オフィス中の社員をすくみ上がらせたのだった。






「あー面白かった。んじゃ俺バイト行ってくるわ。うるしはら、お前はパソコンの扱いに慣れとけよ」


 マイク付きのヘッドセットを外すと、おうは満足げに言う。


「……こんな旧型」


 IT方面から真奥たちに協力することで魔王城滞在を許されたルシフェルこと漆原はんぞうは、真奥があきばらで格安で購入してきた、OSが二世代前のノートパソコンが心底不満そうだ。ネットカフェで扱ったものはこれよりずっと新しい機種だったらしい。


「お前のためにわざわざ買ってやったんだぞ! モバイルネット回線も即日引いてもらって、どれだけの出費だと思ってるんだ」


「ネット回線同時加入なら、本体価格は相当割り引かれてるだろ! もうちょっとなんとかならなかったわけ?」


「お尋ね者が偉そうに。新しいのが欲しかったらとっとと俺が魔力を回復できる手段を見つけて、れいな身になって働け」


「全く……なんで僕が人間なんかの法律に従わなきゃならないんだよ」


 ぶつぶつ言う漆原を見て、真奥とあしは顔を見合わせて笑った。


「俺達にもあんなこと思ってた時期があったなぁ」


「そうですね。なんだかずいぶんと昔のことのような気がしますが」


 ふと芦屋は、百円ショップで購入した五百円商品の壁掛け時計を見る。


「魔王様、出勤のお時間です」


 そう言ってうやうやしくドアを開ける。


「僕、なんとかペッパーポテトもういらない! 持って帰ってくるなら違うやつ!」


今日きようの夕食は卵スープを予定しております。道中、お気をつけていってらっしゃいませ。」


 ワガママを言う漆原と、主夫として働くことへのていかんを哲学にまでしようさせた芦屋に見送られ、真奥は今日もデュラハン号にまたがって元気にアルバイトに出かける。


 ささづか駅から徒歩五分、六畳一間の魔王城は、今日も平和に時が過ぎそうだ。




 ─ 了 ─






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