ハルキストの友人
第1話
男1「あー、スマホの充電もないしやることないなぁ」
男2「だったら、村上春樹読む?」
男1「村上春樹? ……俺、あんまり好きじゃないんだよね」
男2「なんで?」
男1「初めて読んだ村上春樹の小説がさ、主人公の家に変な女が訪ねてきて『私、乳首が3つあるんだけど見る?』って言って見せようとしてくる話だったんだよ。意味わかんなくない? なんであんなのがノーベル賞候補なの?」
男2「はぁ? 村上春樹がそんな低俗な小説書くわけないだろ。お前とは絶交だ」
男1「ってことがあったんだけどさ、これって俺が悪いの?」
男3「うーん。煽ったお前も悪いけど、お前の友達って本当にハルキストなの? ハルキストを自称しておきながら、性描写を低俗と吐き捨てるなんて信じられないな」
男1「あ、そういやあいつ『沈黙』って小説が素晴らしいって熱弁してた気がする。中学の時に朝読書で初めて読んで感動して、それでAmazonで買ったんだってさ。表紙にはピンクの鳥が描かれてて、すっげーペラペラの本だった」
男3「集団読書テキストか。それだけしか読んだことないなら、お前の話を聞いて怒るのも無理もないな。なんか、ハルキストっていうより一辺倒な村上主義者って感じ」
ハルキストの友人 @hanashiro_himeka
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