第20話 新しい仲間は癖が強い
「………どうしてもというから、仲間に入れてやったのはいいが…」
じょろじょろじょろ…
1号が作成したお手製のため池に水を注いでいるシャー次郎。
川から水を運んでくるまではいい…その頭上に浮いている水の球体を一気に放出できないもんなのか!?
『これでは日が暮れるでありますぞ?』
『えぇ。 見ていてイライラしてきます』
「そ、そんな殺生な! これでも拙者は努力しているのでござるよ! はぁぁぁぁ!!」
『掛け声だけは一人前なんですから…』
飽きれた様子のナビ&1号は『まぁ…ぶっ倒れるまでやってもらうか』と首を長くして待っているらしい。
さて、あの癖の強い新しい仲間は放っておくとして。
今現在は各々それぞれの仕事をこなしている。
エルザは拠点の端辺りで土を耕し、畑の作成―――1号とナビは当たらな防衛施設の作成。
そして俺は――――今回の襲撃で入手したポイントを何に費やそうか悩んでいる所である。
――――――――――――――――
【拠点】ブリュンヒルド lv2 耐久度120
拠点スキルスロット ×5
①【農作物 lv1】
最大居住区数 2/3
以下
????
――――――――――――――――
と、まぁ…畑は今後の食糧難等に備え優先事項だったのでポイントを真っ先に振り分けた。
――――― 現在の拠点ポイントは 1200 ――――
アンロック可能なスキル一覧はこちらです。
クラフトスキル上昇 1000P
防衛施設の拡張機能 2000P
支援要請 1000P
古代武器の要請 1500P
―――――――――――――――――――――
くそっ! 最初に800Pを農作物スキルに振ってしまったせいで、古代武器の要請とやらが出来なくなってしまった…
現在の残ったポイントは1200…クラフトスキル上昇とやらの詳細が解らないでのこれは却下だ。
大本命の防衛施設というのもポイントが足りないので不可…となると何が出てくるか解らない”支援要請”とやらに賭けてみるしかないか。
現状、ポイントの入手方法が魔物を狩りに行ったエルザから魔石を受け取る以外に方法が無い…おまけにそこそこ強い魔物の魔石を投入してもたった2ポイント程度。
やはりこの拠点は襲撃中の蒼目と赤目の魔物から排出される魔石以外でのポイントUPは見込めないらしい。
「酷かったのは…普通のゴブリンとかの魔石だと0.1ポイントとか。 もうそりゃ、ポイントのポの字もないだろ!」
等と愚痴りながらも俺は支援要請にポイントを振る事にした。
ピピッ。
『支援要請のアンロックを確認。 ガーンデーヴァより支援ポットの射出を行います。 3,2,1―――射出』
ほんの数秒後の話である。
ズガンッ!!!!
「!? な、何事でござるかぁぁぁ!! どぅわぁぁ! なんでござるかこれは!」
「!? な、なんだなんだ!? 真央! また何か呼んだのか!?」
『これは…!!』
『なるほど。 支援要請とはこれの事でしたか…』
「え、えぇ…こ、これ???」
『————ポット開閉。 ローダーギア…起動――――』
ポットの中から現れたのは全長4m程のパワードスーツ”ローダーギア”であった。
と言っても、元々は作業用のパワードスーツを魔改造して戦闘にも使用できるレベルまで性能を引き上げた改造品である。
「というか…これ。 俺が改造した奴じゃないか! まさか、こいつが!?」
が、あれは世界に一つだけしか存在しないワンオフのスーツである。
おまけにあれはかなり前にぶっ壊れて姿形もなくなってしまったもの…まさか、もう一度姿を拝める事になろとは。
開いた口が塞がらないとはこういう事を言うんだろう…
「っていうか、まてよ!? ナビ! まさかと思うが、こいつ…”エルザ達”も使えるのか?」
「んぁ? 私達?」
『はい。 このスーツは改造品ではありますが、起動に特別な因子は必要ありません。
エルザ。 試しにこれに搭乗してみてはどうですか?』
「え!? わ、私が!?」
そしてなんだかんだとぼやきながらもローダーギアの中心部に搭乗したエルザの表情は輝いていた。
「お、おぉ! すげぇ! なんだこれ! で!? この後はどうすれば!?」
『音声認識システムになっています。 起動! と大きな声で叫びなさい』
「わ、わかった…起動ぉ!!!」
『認証システム承認――――ローダーギア…起動!!』
グググッ…グォォォン!!
『セーフティー起動。 操者の位置固定――――モーションフィッティング作業を開始致します。 まずは右こぶしを前方に突き出してください』
「右拳? こ、こうか!」
ブォン!
ほぼ同じ速度でギアの右腕が正拳突きを繰り出す。
『次に拳を左右に回転させてください―――誤差を修正致します』
「わ、わかった。 お、おぉぉ!」
ガション! ガション!!
「す、すごいぞこれ! まるで私の身体の一部の様に動くぞっ!」
『では、次に歩行モーションの確認作業へ移ります。 右、左、右、左の順に足を動かしてくください』
ガコンッ! ガコンッ!!
ギアの巨大な足が左右に動き始めると、辺りはその重さからか…地面が揺れる。
「というか、よくもまぁ…こんなのを重力下でよく運用してたな…俺は…」
いくら魔改造しているとは言え、4m程の全長で重さは数十トンを超える兵器だ。
そんなのがアグレッシブに動くんだから、それはもう凄まじい衝撃である。
『おまけにあのギア。 嬉しい誤算ですが、木材を燃やしてエネルギーとしている様です。 つまり―――』
「ま、まじかよ…ほぼ無限に駆動するってことか!? ナノマシンの補給は!?」
『どういう訳か―――いらない仕様に変わっているようです。 ですが、内部構造はほぼ同じ―――不思議な事もあるようですね』
…マジかよ。 あんなのが、ほぼ無限に動くとかどうなってんだこの世界は――いや。
この拠点の力と言うべきか…
―――――――――――――――――――――――
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