ケンタウロスVSケンタウロス
滝口アルファ
前編
ここは未明の円形闘技場。
星明りも月明りもない。
無観客。
ただ両サイドから
スポットライトが
円形闘技場の中央を
照らしていた。
そこでは、
紅いケンタウロスと
蒼いケンタウロスが
決闘していた。
なぜ決闘しているのかは
彼らも分からないまま、
ひたすら、
相手を倒すため、
殴り合ったり、
蹴り合ったりしていた。
それは彼らに与えられた
美しい使命のようだった。
紅いケンタウロスは思った。
(この蒼いケンタウロスは、
何者だろう?
姿形はよく似ているが、
色が全然違うのだ。
私のクローンの出来損ないか、
私のドッペルゲンガーか、
あるいは、
私の双子の弟だろうか)
そんなことを考えていると、
相手の右フックを食らった。
蒼いケンタウロスは思った。
(この紅いケンタウロスは、
何者だろう?
姿形はよく似ているが、
色が全然違うのだ。
私のパラレルワールドの姿か、
私の生まれ変わりの姿か、
あるいは、
私の双子の兄だろうか)
そんなことを考えていると
左アッパーを食らった。
未明の円形闘技場の上空は、
真っ暗だったが、
不意に、
テレポーテーションしてきたように、
ぎらぎらと光るUFOようなものが現れた。
そして、
流星群のような、
美しい銀色の雨を降らし始めた。
2体のケンタウロスは、
その銀色の雨に輝きながら、
決闘を続けていった。
しかし、
この決闘は、
徐々に、
蒼いケンタウロスが
優性になっていった。
そして、
蒼いケンタウロスのカウンターが、
紅いケンタウロスに決まって、
あっけなく勝負がついた。
蒼いケンタウロスの
勝ち
未明の円形闘技場に、
響き渡っていった。
次の更新予定
2024年12月26日 14:00
ケンタウロスVSケンタウロス 滝口アルファ @971475
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ケンタウロスVSケンタウロスの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます