そこのあなたへ。
最後のページまでお読みいただきありがとうございます。
ええ。物語はこれでお終いです。驚きました?ご期待に添えなかったのなら、ごめんなさい。
これは、幸せになりたい“サキ”が未来を失う物語。
特別珍しくもない不幸。どこにでもいる女の
どん底の数ヶ月と、最高の3ヶ月と、最低の5日間だけ。
あなたが読みたかったであろう“サキの人生”の、ほんの一部分を切り取ったに過ぎません。
“サキ”にとっては、この期間は後退か、成長か、足踏みか、助走か……。どうなるのでしょうね。
“サキ”は可哀想な女に見えましたか?不憫過ぎて幸せになってほしいですか?
でも、この世でなんの苦しみも悲しみも味わう事無く、トントン拍子で幸せになれる人生はないはずです。
あなたは幸せの絶頂を感じたことはありますか?“落ちてる”と感じる瞬間は?その波があるような覚えは無いですか?
どんな人生にも“底”はあるはず。それが世間から見て、浅いのか深いのかの評価なんて、どうでもいいですよね。どれほど苦しいのかは本人しかわかりません。
そして自分の“底”に思い当たったあなたは、“サキ”だけでなく“底にいるあなた”の幸せを願ってください。過去も未来も関係なく“底のあなた”の幸せを、です。神も魔神もいないので、今の自分に。
実は私も“サキ”の未来が気になって仕方がありません。でも、「頑張って」「楽しみにしている」なんて、お気楽なことは言えません。
ただ、人生の“プラスα”どころか10000点になるぐらいの幸せを願っています。
是非、ハッピーエンドであれ。
そしてエンドロールでは、アキラの名前が最後の方に、ほんの小さく“元カレ5”となっていることを。
このお話が、誰かの慰めか、励ましか、時間つぶしか、何かになりますように。
願わくば、どうにかこうにか、心当たりがある男達に届いて、彼らが心を痛めますように。
嘘です。やめてください。人違いです。
このお話は、完全なるフィクションですから。
*****
End.
星の少ない夜に、そこのあなたへ 遠野 楓夏 @sarada333
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