(20話まで読了です)
トー横の大阪版・後にグリ下と呼ばれる地域から、JCの旅が始まります。
迷走が瞑想に変わるまでの、6年間の生々しい記録(作品概要より)。
作者さんは、コミュ力も美容も欠かさなかった努力家であり、現在は困難を抜け出す事が出来ました。
ですが、家出少女は(一般的に)立場が弱く、赤貧から抜け出せないままに精神を壊し、身体の苦痛と出血に耐えながら、助からないまま固定される人が多く。
もし結婚できても、駄目夫と離婚して、「シングルマザー貧困」に陥る事もあって(日本のシングルマザー貧困率は、平成26年では、内閣府調べで50.8%。OECD諸国でもぶっちぎりの最下位なのです)。
残念ながら、作者さんの願いとはうらはらに。「生涯ずっと貧困」に陥る女性たちが、大多数なのです。
そんな中で古き傷口を、体液まみれの手で抉り出すように。
あの頃の精神の闇、その沈殿物を掘り返すように、作者さんは回想を紡いでいきます。
別の誰かの助けになるように。
あの頃の自分に、改めてケジメを付ける為に。
行政の公助からも遮断され、助からず、「自由という監獄」でもがき続ける人々に、文学は何が出来るだろうか?
内容はヘビーですが、文章量は短め。
斉藤綾子的な赤裸々描写もあり。
まだ20話ですが、これからの展開が気になる一作です。