母が紹介した異性が私と歳が離れすぎてる件について

ほたる

プロローグ

始まりは私が中学に上がる前のことだった。


「潤は好きな男の子はいないの?」


私は三崎潤は学校から帰宅すると、夕食の支度をしている母から気になる異性はいないのかと尋ねられた。


「いないよ」

「同年代には興味がないってこと?」

「そういう意味じゃないけど……今までで気になる子はいない」


スポーツが優れている子や天才的に頭が優れている子、人の役に立つのが好きな子、いろんなタイプの子と知り合ってきたけど、隣にいたいと思う人はいなかった。


「じゃあ……付き合う相手は歳が離れててもいい?」

「離れてるってどれくらい?」

「高校生」


3歳くらい離れてるじゃん……。学年を言わないってことは、高校を卒業した可能性もある。


「お母さんの職場のバイトの男の子なんだけどね。真面目で優しいのよ」

「私のことを話してるの?」

「話の話題になることは多いわね。彼も潤のことは気になるみたい」


高校生から見る小学生に嫌なイメージしかないんですが……。


「妹みたいに思われてるんじゃない?」

「一人っ子みたいだからね」


私からみたら歳が離れてる兄って感じ。同じように一人っ子だからそう思うのかもしれないけど。


「お兄ちゃんが欲しいって前に言ってたよね」

「言ったけど……」


周りの友達の話を聞いてると、姉よりも兄の方が欲しいと思い、母に一度でいいから兄が欲しいと言ったことがある。


「願いを叶えてあげた」

「無理だと思ってた……」


母は満面の笑みでピースサインを作る。無理な頼みがこういう形で叶うことになるとは思わなかった。


「一度会ってみない?」

「そういうと思った……」


話の話題になってるってことは会ってみないかと流れになるのが予想できる。


「もう話はしてるんでしょ。だったら、私の選択肢は一つしかないじゃん……」


母は私の選択肢を一つしか選べないように、逃げ道を塞いでいるので、私はため息をついてから。


「会うよ……ただし、無理な相手なら2回目はないからね」

「いいよ」


最初の印象で無理なら付き合わない。母にこの条件なら会ってもいいというと、母は私の条件を承諾した。

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母が紹介した異性が私と歳が離れすぎてる件について ほたる @hotaru0311

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