ダイゴワ 名前が長いお婿さん降臨、
彼女は僕のことを花嫁といった、繋がれたままの手錠、僕は何もわからずただ思ったことを口にするだけだった。
「僕が、、君の花嫁、、、、?」
「あぁ、そうだとも」
彼女は胸を張ってそう言い放った。
そういえば彼女は先ほど七月二日ヴァンパイアクイーンを魅了した、そんなことを言っていた、七月二日、僕は覚えているあの日のことを、しっかりと、そんな時僕は鎖に項垂れていた右腕を左手で支えながら右手をじっと見た。
その視線を感じ取ったのか、その傷に視線を置いて彼女は語り始めた。
「その傷なかなか治らないでしょ?、それは原初の刻印、花嫁に選ばれたものだけが持つ祝福の証、、、」
手のひらをじっと見る
「原初の、、刻印、、、?」
僕は初めて聞く言葉とそしておおよそ僕が生きていた時代では効かない言葉に少し臆する、そんなことに臆していると、彼女は僕の力の入らなくなった手を手に取り方ズリしながら顔をうっとりさせて、おそらく七月二日のことをまるで恋文のように語り始めた。
「あぁ♡うっとりしてしまうねぇ♡その傷を見るだけで僕はあの日のことを思い出してしまうよぉ♡あの世界に花嫁を探して三十日目のこと、リムヴェともなぜか連絡が取れなくなっちゃて、しかも魔力不足で血を7日間ぐらいかな?飲んでなった時、、僕は普通に数百年だったら血を飲まなくてもいけるのだけれど、何にせあの世界は魔力が薄いって言うかゼロだからね、消耗もいつもの数万倍、だから体をちじめて、温存しながら僕の花嫁を探してたんだ、そしてしばらく花嫁を探していたんだけど、その時僕はしくじっちゃったんだよねぇ」
彼女はあの日のことを思い出すかのように額に汗を滲ませていた。
「しくじったってのは?」
間髪入れず僕は彼女の様子を見て質問する、質問をした途端、彼女は少しバツの悪そうな顔をして少し悩んでからまた口を開いた。
「ま、まぁこのことはいいんだけどさ、それより君には花嫁だってさっき明朗と言ってしまったけれど、実はまだ婚約は終わっていないんだ、そこでねぇ、っと、ここにサインして欲しいんだ」
彼女は笑顔で馬乗りになっていた体を揺らしベットの隣にある机から、見てくれは石の何かを僕にみせた。
「この石にサイン?こっちの世界で言う婚姻届的な、、って!婚約!?」
僕は思いもしなかった言葉に横っ腹を刺される、そんな時彼女は笑いながら言った。
「ははは、今更かい?さっきだって僕は君は花嫁だって言ったじゃないか?」
そういえばそうだった、僕は勝手に彼女の花嫁になっていた、勝手といってもまぁこんな血を吸って大きくなったり小さくなったりする奇怪さに目を瞑ればこんな可愛い女の子と付き合える、なんなら結婚できると言うのは願ってもないことではあるが、しかし、彼女は僕と婚約して結婚して何かいいことでもあるのだろうか、彼女にはなんの利益があるのだろうか、ただ好きなんだと言われればおしまいだろうけど、僕はそれほどに特別だとは考えれれない、僕はなんとなく口が開いて言葉を漏らした。
「なぁ?」
「なんだい?」
「婚約したらどうなるんだ?」
僕は冷静に素朴な質問をぶつけた。
「え、あーそれはね、簡単に言うと僕の命を引き換えに君を、現世に、、いや君からしたら異世界か、そこに転生、輪廻転生させるんだ」
「え?」
彼女は当たり前だろう?と言いたげの顔と身振りで僕に言った、だが僕は見逃さなかった。
「お前の命を引き換えに僕はお前の世界に?」
「そうそう、話が早いね、私は君の中で生きて、君の糧となって僕を救ってもらう、いいや、僕の世界を救ってもらう、僕はそのために来たんだ、だから、ほらここに手を置いて婚約を!」
彼女は僕にさらに石を押し付けててくる、だが僕は彼女がいっている意味がわからなかった、筋も理屈も合理的で全て肯定できた、世界を救うため、称賛されるべきことだ、でもそれでも僕は彼女が死ぬことだけは肯定できなかった、それ以上に僕は彼女が自分のせいで死ぬそれが怖かった、昔みたいにまた何かを自分が中心で失うのが。
「お、お前、自分が死ぬんだぞ?自分を犠牲にするんだぞ?なんでそんな平気な顔ができるんだよ!?筋も理屈もわかるわかるけど、お前が僕の糧になる?そ、そんなの、、」
彼女はあの時のように冷たい目をしていった。
「僕は救うために来たんだ、情なんてかけなくてもいい、そうすればみんな幸せに、こうすればお母様だって救われる、僕はこのために来たんだから」
「で、でもだからって、、」
「人はそれを優しさというかもしれない、でも、、それはただの決断できない上に何もできない変化を恐れる心、いわゆる防衛本能だよ、、まぁでも、確かに今回は僕が押し付けすぎたね、戸惑うのもわかる、、、」
彼女は戸惑う僕を見ながら「じゃぁ」といって続けた。
「君に5日間の猶予をあげよう、その5日間で君には答えを出してもらう、僕と別れてもの世界に帰るか、それとも僕の花嫁になるか、五日間の面倒は安心してくれ、僕が選り好みの末に選んだ腕ききのメイドさんを用意しといたからね」
彼女は切り返して不敵な笑みを浮かべた、先ほどの可愛さはどこえ行ってしまったのかと言うほどの冷たい目、その目を僕に向けてまた微笑む、だがその顔には少し焦燥が写っていたような気がした。
「わ、わかった、でも、、!僕は君を死なせない」
「っはっは、そんな方法があったら最高だね、期待してるよ僕の花嫁さん」
パチンッ
指パッチンと同時僕の枷が全て外れた、だがそれと同時、また僕の意識は朦朧とした、そんな時、朦朧とした意識の中声が聞こえた
「あ、そうだ、館外には行かない方がいいよ、多分君、死ぬ」
僕はそんな言葉を最後に僕の意識は真っ黒に落ちていった。
血が飲みたいかろうて。 哀 シア @satiate
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