この百合割り切れない!!

キャロル

第1話 私の学校生活

 まもなく季節は梅雨、中学生だった私は最近高校生になった。

 今となっては母校である西堀中学校を卒業し、私の家からはもう少し遠い西堀高等学校に入学した。

田舎よりな西堀市には高校が一つしかない。昔から考えなしだった私は、親に言われるがまま地元にある中学校・高校に通う。正直高校については、西堀市の二つ隣にある憧れな都会の高校行きたかったが、何しろ私立で学費とあと交通費もかかるので遠慮しておいた。というのと、小学校からの私の友達である湯川友子(ゆかわともこ)、通称トモちゃんが西堀高校に通うと言っていたからというのもある。高校進学で新しい環境にはなるものの、クラスメイトはほぼ西堀中学校から来た子なので安心もあるだろう。

そして名前を書けば受かるも同然(教師も生徒も人が足りない)西堀高等学校に晴れて受験合格し、さらにトモちゃんとも奇跡的に同じ二組になり今に至るわけだ。

 先ほど最近高校生になったと言ったがもう入学式から二か月も経っているのか、最初の二か月は友達作りとクラスに馴染むのが精いっぱいで、時の流れが遅く感じると誰か言っていたけど。まったくそんな事はない、まだ入学したての気分だ。

クラスの雰囲気はいい感である。みな友達グループが決まってきて、ぽつぽつ単独でいる子もいるが避けているような空気ではない。今のとこ心配事は勉強だけだ。

          

~チャイムの音~


ふと考え事をしていたら授業が終わっていた。やっと帰れる―。そして私と席が南極と北極くらい離れているトモちゃんがヘボヘボとした様子でこっちに歩きながら

 「のんちゃ―ん、もう今日疲れたぁ。ノート全然メモしてないどうしよう―!」

トモちゃんは授業中ほぼ寝ている、特に数Aのときは。

 「トモちゃん、同じくだよ」

 「そうだろうね」

なんなんだと思いながら重い腰を上げ、下校の準備をする。基本的には置き勉で課題だけいつも持ち帰るが家ではあまり勉強をしたくないので、早朝に教室で課題をしている。ギリギリにならないと手も付けないタイプなので仕方ない。

 「そと雨降ってきそうだね」

 「ね、トモちゃん傘持ってきた?」

最近ジメジメしていてどうにも気分が晴れない。何か我慢しているような天気なので、いっそのこと雨が降ってほしいとも思う。

 「うん、オキ傘してるから」

 「オキ傘? …あ、置き傘ね!」

 「置き傘してると今日みたいな日でも、安心だよぉ~」

――よし今度から置き傘しよう

 「そういえば明日委員会あるの覚えてた?のんちゃん何委員だっけ」

 「うん、えぇとね福利か福祉委員だった…はず。そっちは?」

 「広報!」

 「中学ん時も広報だったよね、面白そう」

どの委員会もだいたい放課後に活動するのだが、委員会によって活動時間が全然違うので選ぶときはよく考えなければならない。常日頃から早く家に帰る事しか考えていない私は、一番する事が無さそうな福利委員会だか福祉委員会に入ったわけだ。

果たしてこの選択が吉と出るのか凶と出るのか。

それでも一見楽そうな仕事ほど面倒であるということは覚えておこう。


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