第3話 始まる委員会
「・・・コホン、時間になったので委員会を始めます。前回の自己紹介と大雑把な活動内容の説明で流れは掴んで貰えたと思うので、この時間から活動に取り掛かろうと思います。」
委員長が話し出すと同時にぽつぽつと雨が降ってきた。窓の外は天気のせいもあってかすでに暗くなっている。教室の蛍光灯がよりいっそう光々としていて、眩しいくらいだ。その光に反射して委員長のメガネが光る。
「今日は皆さんに学校中のシャボネットの補充をしてもらおうと思います。一年生は初めてなので、私と副委員長がそれぞれ付いて説明します。二年生はいつも通り北棟の補充をお願いします。」
少しした間の後、隣にいる副委員長が委員長に耳打ちする。
「・・・ええと、森先生からは何かありますか?」
おじいちゃん先生がニコニコしながらゆっくり首を横に振る。
すると副委員長がまた何かを思い出したように委員長に耳打ちする。なんとなく委員長と副委員長の関係が見えた気がする。
「・・うん・・・あ、そっか、シャボネット補充は基本的に二人組で行っているので一年生は同じ組の人同士のペアでよろしいですか?」
一年生は四人いる。私の前に座っている二人組は一組の生徒で仲が良さそうだ。友達同士で同じ委員会に入ったのだろう。
委員長の言葉に私たち一年生はぎこちなく頷く。
「・・はい、では各自活動に取り掛かってください。あ、あと補充が終わったら前にあるこの紙の名前のところに丸を付けてください。それが終わったら帰ってもらって大丈夫です。」
二年生がしゃべりながら席を立ち始める。
そういえば、私のペアの人が見当たらない。確か同じクラスの西田さんのはず。中学も同じだったけどしゃべったことがない、クラスでも基本的に一人でいる。とキョロキョロしながら後ろを振り返ると、私の三つ後ろの席に西田さんが座っていた。
――なんでそんな後ろの席に座ってるの⁉
席の指定はないが、あまりにもポツンとしているので少し困惑してしまう。一応ペアなのだが、どうも話しかけにくいオーラが彼女からは出ている。小心者(陰キャ)の私はとりあえず席を立ってみるものの、どう話しかけて良いか分からずキョどっていると西田さんがこっちを見たようだ
今だ!と思い彼女の席に近づいていく。
「・・・あの、今日のペアよろしくね。あ、えと、同じ中学校だったよね?」
私に気づいた西田さんはイスからゆっくり立ち、目線を逸らしながら
「うん、宜しく。」
と凛々しい声で答えた。
初めて話す嬉しさと気まづさで少しぎこちない雰囲気の私たちの後ろから、眼鏡の委員長がやってきた。
「え―と、今日は初めてのシャボネット補充ということで委員長の私がついていきますね。さっそく、シャボネット液を保健室に取りに行くのでついて来てください。」
副委員長はどうやら一組の二人について行くらしい。三年生は委員長と副委員長の二人しかいないみたいなので、分断して教えるしかないのだろう。
返事をして、置いていかれないよう委員長についていく。
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