ノリだけで世界を制す
@cider_man
ノリだけで世界を制す
私、
いま某バトロワ系FPSの世界大会最終戦が始まる所なの。
いや、本当に何でこうなったのかなぁ?
大会の歴史上初めての中学生チームが参加するということで無駄に注目されているうえに、現在順位5位で1位との点差もそこまで広がっていないせいで、最年少優勝あるか!とさらに注目されているから、緊張でどうにかなりそうなんだが、ちょっと一旦 思い出してみようか。
・・・後、現実逃避したいし。
_________
ことの始まりは、幼馴染達と一緒に集まっていた時、
「なぁ、最近俺たちこのゲームハマっているだろ、ならさこの大会の出てみないか?」
と、
その後、なんやかんやあって予選を突破して、世界に進出してしまったのだ。
_________
『さあ、最後の試合の始まりです。』
司会のこの英語で発せられた一言に現実に引き戻され、ゲームに集中して、『レイ』と名付けられたキャラクターと体を一体化させるようにしていく。
まずはいつもの街に降りると2,3パーティーが一緒に降りて来たので、手早くサブマシンガンを見つけて突撃しにいこうとすると、
「ストップ、いくなよお前まだこっち準備終わってないんだから。」
「そうですよ、こちらはまだしっかりと準備ができてないんですから、アサルトライフルとかの私たちや装備探してください。」
「は〜い」
聡一と明美に怒られてしまった。いや、ゲームだと『ネロ』と『エクラ』と言ったほうがいいか。
ネロは、スナイパーとアサルトライフル
エクラは、アサルトライフルとサブマシンガンでよかったはずだよな。
そんなことを考えていると、全員分の準備が終わったので敵が降りていったであろう場所に突っ込んでいく。するとタタッという足音が聞こえてきた。
「右前の家に敵いるね、先突っ込んでくる」
「「了解(です)」」
サブマシンガンを2丁持ちして、突っ込んでいき、扉をタックルで開けると、大きな足音を立てていたから案の定、敵はこちらにわかって弾を打ち込んできた。
怯まず球をばら撒きながら前に突っ込み、敵の弾は、ある程度勘でかわしながら、すぐ近くの部屋に逃げ込む。
敵は、こちら側にエイムを向けているため、ネロとエクラがその隙に扉から入り、敵を倒していく。
まぁ、これがこのチームの基本戦術である。
「ふぅ、まずは1パーティー倒したね」
「そうですね、でもすぐに漁夫来るでしょうから、早く漁っちゃいましょう」
軽く漁っていると敵が見えたので、すぐに家の2階にいき、遠くにいた敵に向かって射つとネロは全弾敵に当て、その上半分くらいを頭に入れて、ダメ押しでエクラは8割ほど当てたためすぐに敵のHPはなくなった。
・・・うん?私かい?見てただけだが何か?人には適材適所ってもんがあるんだよ・・・
——その後特に敵に合わずに、街を漁っていき中盤戦に入る。
「ひま〜」
「まだ中盤なんだから、全員隠れてるんだろうから見つけられるわけないでしょう」
「そうだけどさぁ〜、やっぱり戦いたいじゃん?」
「毎試合で言ってるでしょそれ、いい加減慣れろよ・・・」
「あっ、敵いましたね」
「どこ〜」
「ピン刺しますね」
「そこ、100mぐらい先じゃん。自分手出しできないじゃん」
「あんたが遠距離戦闘嫌ってるからでしょ
……一番右狙って打つ」
「じゃあ、真ん中狙いますね」
「ほら、もう2人死んじゃったじゃん。…こう言ってる間に、全員倒し切ってるしさぁ…やっぱり自分遠距離いらないでしょ」
「ある程度狙えるだけでだいぶ変わるからな、だからしっかり遠距離もある程度できるようになれよ…」
——そんな、最初緊張してた人とは思えない、リラックスとしたゆるい雰囲気でまた中盤戦も乗り越えていくのだった。
「やっぱ、最後の試合ともなると人の減りも遅いね…」
「しかも今だいぶ状況きついぞ、射線切れる家持ってないし、ここも次の安置から外れるし」
「どっかの敵から場所奪うしかないですね…どこかいいところに敵いないでしょうか」
「う〜ん、あっ、あそこの建物とかいいんじゃない?」
「あそこすぐ漁夫きそうなんだよなぁ…いやでも他も大体同じか・・・よしレイ、あそこに突っ込めッッ」
「よっしゃー、久しぶりの戦闘だ。ヒャッハァァア〜‼︎」
サブマシンガンを二丁とも構え、一気に前に走り出ていくと、敵や他のパーティーが攻撃をしてくる。それをかわしながら前に出て、扉を破壊して敵陣に突入する。バレバレの突入をしていたため当然だが、敵は全員自分の方に向いている…が、派手な登場をしたためネロとエクラからほんの一瞬意識を外してしまった。その一瞬に球を打ち込まれ2人を倒す、最後に残った敵には銃口を押し付けらサブマシンガンの連射で削り切る。
「ふぅ〜、これで全員だよ…な?」
「あぁ、これで終わりだぞ」
「そういえば、私たちどうあちらまで行くんですか?」
「それは…まぁ……敵を狙いながら突っ込むしかないよな…レイ、援護頼むぞ」
「いや、それ作s——」
「頼むぞ?」
「了解…」
そう言っていると、ネロとエクラがこちら側に走って来たが、移動がバレバレなのですぐに打たれ始める。なので、言われた通りに敵に向かって弾を撃って圧をかける。…まぁ、ほとんど当たってないんだけど…圧はかけられてるからよし!
そんなこんなでネロとエクラはこちら側まで滑り込んでこれた。
——その後、特にピンチになることもなく順調に最終盤になっていくのだった。
「おっ、1パーティー減って敵は残り2パーティーになったね」
「たけど、この建物が安置から外れたんですけどね」
「次の安置に建物は…一応あるけど、両方敵が取ってるな」
「奪い取るしかないかなぁ?」
「まぁ、取らないとずっとヘイトを買い続けるでしょうからね」
「どっちの建物取りに行くの?」
「あ…、右の建物のほうがいいかな?」
「了解、いつも通り突っ込んでいいかな?」
「いいですよ、行ってらっしゃい」
「レッツ、ゴー‼︎」
いつも通り、このパーティーの基本戦術で突っ込んでいくのだが、まぁ完全に対策されてグレネードで足止めされている間に、ネロとエクラは狙われ続け、どうにか撃ち合いに持ち込み1人落としたが、こちらもエクラが落とされてしまった。
「すみません、倒されてしまいました」
「大丈夫だよ、あれは仕方ない」
「そうそう、1人落とせただけで十分だよ。というか、対策されたけどどうすんの?」
「……いつも通りやってグレネード投げられたらそれ壊すとか?」
「難易度高くないですかね?」
「できればいいんだよ、できれば」
「じゃあいきますか!」
再度前に突撃を始めると、またグレネードを投げられる。するとすぐに弾が飛んできてグレネードを爆発させる。その爆発で敵のHPが半分ほど削れる。その隙に、爆発の煙に紛れて一気に前に出る。前に出ると敵が構えて来たので弾を躱しながら前に詰め、腰ダメの乱射で敵を倒す。すると後ろからHPの回復を終えた敵が来たが、前に詰めて来たネロによって頭を撃たれ倒される。
「ふぅ、これで1パーティー壊滅」
「漁夫警戒してくださいね?」
「分かってるよ」
そうして軽く減ったHPなどを回復させようとしていると、敵がやって来た。
「うげぇ、敵もう来たよ…」
「了解、牽制してくるから先にHP回復させといて。」
「了解」
すると戦闘が繰り広げられ、ネロのHPがみるみる減っていき、最終的に倒されてしまった。
「すまん、引き際ミスった」
「あれは仕方がないです」
「大丈夫だから、後は私に任せなさい」
「了解、頑張ってくれよ?」
「当たり前でしょ、後今からガチで集中するから静かにね」
「分かりました」
敵が来るまで後10秒くらいに、武器を手頃な位置に置き直していると、敵がグレネードを投げ込んできた。少し離れてグレネードを躱すと爆発と同時に敵が入ってくる。すぐに距離を詰め1人に至近距離の連射を喰らわせて倒し、球が無くなったら直ぐに近くのアサルトライフルを拾って、次の敵に攻撃を仕掛けて倒す。また直ぐに今度は敵のサブマシンガンを奪って、次の敵に攻撃を仕掛けにいく——が、奪い取った武器に球がほとんど入っていなかったため一度引いて仕切り直そうとするが、敵がチャンスとばかりに打ってくるためほとんどのHPを削られたしまった。何とか引いでいると、ネロが落としたスナイパーが見えてきた。それを見て、一気に走り込みスナイパーを掴む、そのまま後ろに思いっきり振り替えりながら、弾道から敵の位置を予測し、頭の位置を把握する。その情報をもとにフリックショットを撃ち込む。
———すると、頭に弾が吸い込まれ敵に当たり、目の前に『vicotry』という文字が現れる。
「……は、は、はぁ?…えっ、勝ったのか?」
「勝ちましたね、おめでとうございます」
「まじであそこから逆転できんのか…HPミリになった時は終わったと思ったぞ」
「え、え、え、ヤッターーーー!!!」
立ち上がって喜ぶと、会場から大きな声援が巻き起こる。
多分これ以上の経験はすることがないだろう、と余韻に浸っていると。司会から
『結果発表です!』
「あっ、そっかこっちが本題か」
「こっちで取れないと意味がないからな」
「でもこの試合の成績だと、ワンチャンありますよね」
『——映えある一位は………チームレイ・ネロ・エクラ選手からなる『ネイラ』の皆さんです‼︎』
「よっしゃー‼︎」「まじ⁈」「本当ですか!」
まさか、本当に優勝するとはみんなが口々に呟きながら全員で抱きつく。するとまた会場が湧き上がり、これ以上経験することがないと思っていたことがもう更新されてしまった。
——まさか本当にノリだけでエントリーした大会で優勝をすることができるとは…。
—————
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