無策な登場人物を嘲笑う読者を嘲笑う。


 放課後でばったり、生首と目が合ってしまった。

 クラスメート達が噂する「出会ったら、終わり」とされる彼女。

 彼女は無邪気にお話をしようと持ちかけてくる。

 果たして終わらずに済むのか。



 作品の登場人物に「こうすればいいのに」と思ったことはないだろうか。

 特にホラーは物語を進めるためか、わざわざ無策で突っ込み状況を悪化させる内容も多い。
 怖いだろうし、命に関わるんだから仕方ないにせよ、もう少し考えられたのでは、と毒づくこともある。

 この作品はそういった読者にオススメの作品だ。
 打てる手を全部打とうと足掻く主人公と、怪異の応酬が見て取れる。

 取り敢えず外面も内面も人のそれではない怪異の神秘性も不思議な魅力だ。