第5話 二人の旅立ち

 だいきなちちいのちすくうため、このかいのどこかにあるというでんせつたから、〝じょうほう〟をさがけっしんをしたカイト。それからのカイトは、はたけごとつづけながら、レンといっしょに、たびちにそなえた、しゅぎょうをはじめました。


 そして、そんなみっとなり、ついにふたは、たびちのむかえます。



「カイトよ。もうずいぶんと、ほうあつかいにもれたようじゃの」


「はい、ちょうろうさま。まだほのおかぜほうだけですけど、やりかたはわかってきました」


 カイトはむらいちばんほう使つかいであるちょうろうから、かんたんほうおそわりました。さらには、けんじゅつとくなレンからも、けんけいをつけてもらっています。


「うむ。さえおぼえておけば、あとはたびちゅうにつくじゃろうて。けんこんも、レンからまなびなさい。レンはワシにず、ほうぜんぜんできんからの」


 まだじゅっさいにもかかわらず、レンのちから大人おとなにもけていません。そのわりなのか、いくらちょうろうからおそわっても、レンはほう使つかうことができませんでした。



「まっ、ひとにはそれぞれ、とくなもんがあるからさ! ちからごとまかせろよな!」


「ありがとう。こころづよいよ、レン」


 カイトとレンはあくしゅをし、おたがいにがおいます。それからちょうろうふたのために、それぞれわたしました。


「レンよ、おぬしにはちちかたけんと、ワシのおふるのハンマーをやろう。マぞくのなかには、けんかぬものもおおい。そんなときは、これを使つかいなさい」


「ありがとな、じっちゃん! へぇ、こんなながいハンマー、たことないぜ!」


 レンがもらったハンマーは、つうこうさくどうではなく、〝〟というぼうぶんながつくられた、せんとうようの〝バトルハンマー〟でした。


「そしてカイトよ。おぬしには、リキヤからあずかったけんを。そして、ワシが使つかっていた、ほうつえさずけよう。このつえは、どもようにしてはおおきめじゃがの」


「ありがとうございます、ちょうろうさま。ちちのように、がんってからだきたえます」


 カイトがもらったつえは、くろでできており、せんたんにはを「パー」にしたような、かざりがいています。カイトとレンは、それぞれけんこしげ、つえとハンマーをちます。なかにはちいさなリュックサックをい、たびじゅんかんりょうです。



「マぞくようの〝りたたみスコップ〟もったし、じっちゃんにもらった〝かね〟とかいう、ちっこいてついたった。おじゅんも、オッケーっと」


とコンパスをくさんようにな。まずはひがしへとかい、タコバスのまちしなさい。そこのちょうちょうに、おぬしらのことをつたえておいたからな」


 カイトたちのさいしょもくてき、〝タコバスのまち〟には、ちょうろうれんらくをしてくれたようです。しかし、そこまでのみちしるべは、ちいさなほうしゃくと、かみだけです。


「それにしても、なんかへんまえまちだなー」


「ヤッコスむらもそうじゃが、これらのきょてんには、そのしょじんまえけられておる。くれぐれも、しつれいなことはわんようにな?」


「わかりました。せんヤッコスに、じないこうどうこころがけます」


 たくととのえたカイトは、ちょうろうふかぶかあたまげました。このみっかんしゅぎょうあいだに、カイトはちょうろうからほうだけではなく、れいことづかいもまなんだようです。



「でもさ、カイト。ほんとうとうちゃんにわなくていいのか?」


「うん。おしゃさんからも、めんかいしゃぜつだってわれてるし。ぼくたちもいそがないと」


 カイトのちちあいはあまりくはないのか、いまではせんせいからも「ってはいけない」とちゅうされています。いまちちたいりょくと、ことしんじて、ぶんたちにできることをやらなければなりません。


「そうだな! よし、そろそろしゅっぱつしようぜ」


「うむ。くれぐれも、ちゃだけはせぬように。ほうれることはだいじゃが、おぬしらがもどることのほうが、もっとだいじゃからの」


             *


 カイトとレンはちょうろうともに、むらの〝がいかく〟のかべいた、ちいさなあなまえへとやってきました。ここまでるまでのあいだにも、むらびとたちのなんにんかがごとめ、ふたおくりために、ついてきてくれました。


ふたとも――。かなしいことじゃが、おぬしらのてきは、なにもマモノだけではない。ときには、わる大人おとなうこともあるじゃろう」


「このむらひとは、みんなやさしかったからな!」


 レンはおくりにきてくれたひとたちにおおきくり、げんがおをみせます。


「もちろん、大人おとなもいる。そういったものらのたすけをりれば、かならずや〝じょうほう〟に辿たどけるじゃろうて。まずは、タコバスのちょうちょうたよりなさい」


「はい! それでは、いってきます!」



 カイトはあつまったひとたちにおじぎをし、かべいたあなつえとリュックサックをみます。それからぶんはらばいになり、どうにかそとることができました。


 このかたくてちいさなあなのせいで、むらにはどもしかりができず、たくさんのもつすこともできません。カイトにつづいて、レンもあなけ、まずはふくいたつちをパンパンとはらい、めんちたもつひろいます。


 そしてふたは、そとかいしきて、「ごくり」といきんだのでした。




 カイトとじょうほうだいしょうしょうねんたびち 【おわり】

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カイトの不思議な冒険 幸崎 亮 @ZakiTheLucky

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