第4話 カイトの決心

 しんゆうのレンもんでいる、ちょうろういえまでもどってきたカイトたち。レンがテーブルのうえさんにんぶんりょうならべ、ゆうごはんをべるじゅんをします。


「ありがとう、レン……。ごめん、ぼくつだわないといけないのに……」


「いいって! おまえ、いつもウチのせんたくとかりょうとかまでつだってくれてるだろ? こういうときくらい、ゆっくりしててくれよな!」


 カイトたちがらす〝ヤッコスむら〟では、みんなでたすいながらのせいかつをしています。たたかいがとくなレンとちがい、りょうとくなカイトは、おとうさんとはたけごとをしながら、ほかいえそうせんたくりょうなどもつだっておりました。


 マモノにおそわれたおとうさんはたすかりはしたものの、おおきなケガをいました。それにマモノのどくはおしゃさんのほうでもなおせず、このままではんでしまいます。


 そんなときちょうろうくちからたのは、「ちちすくえるかもしれん」ということでした。カイトはなみだかべ、テーブルのおくがわすわっている、ちょうろうかおます。


はなしつづきは、になるじゃろうが、まずはゆうしょくをいただこうぞ。カイトはひるべておらんのじゃろ? しっかりわねば、ちちのようなりっおとこにはなれんぞ?」


しんぱいすんなって! ぜんぶえなかったら、おれわりにってやるからさ!」


 そうってレンは、カイトのしょうめんせきに、いきおいよくすわります。そんなレンのこといたちょうろうが、おおきなためいきをつきました。


「レン。しんぱいするのは、ではなかろうに。まあ、よい。――いただきます」


「あはは。ありがとう、レン。いただきます」


 カイトには、レンがぶんげんづけようとしてくれていることが、わかっているようです。それからさんにんわせ、ゆうごはんをべはじめました。


 今日きょうのメニューは、カイトがそだてたさいや、むらぼくじょうそだったうしにく使つかったりょうです。レンがざいりょうぜんまぜわせ、フライパンでてきとういためたものなのですが、あまからあじけがいていて、なかなかのあじだったようですね。



「ごちそうさまでした。おいしかったよ」


「おっ、そうか? まぁ、おまえのりょうをテキトーにマネただけなんだけどな!」


 えたさらかたけながら、レンがくさそうにわらいます。レンも、ほんとうはカイトをげんづけるために、こんりょうを、がんってつくったのでしょう。


「カイトよ、今日きょうあとかたけはレンにまかせて――。だいはなしはじめようぞ」


 ちょうろうにがいおちゃみながら、しんけんをカイトにけます。カイトは「はい」とへんをし、んだばかりのつめたいみずを、ひとくちゴクリとみました。


「さて、おぬしのちちすくほうほうじゃが――。それは、このかいのどこかにねむるとされるでんせつたから、〝じょうほう〟をれることじゃ」


「じょうかの、ひほう……。ですか?」


「さよう。この〝カクセルタス〟というかいつくった、かみがみはなしっておるな? そして、このかいが、かつておおきなわざわいによって、めつぼうにあったことも」


「はい。もっとちいさかったころに、べんきょうおしえてくれたひとからきました。でも、そのひとも、おかあさんたちといっしょに、マモノにおそわれて……」


 かなしいおくし、またしてもカイトは、うつむいてしまいそうになります。しかし、それをグッとこらえ、まっすぐにちょうろうました。


「そうじゃ、かなしいことはかんがえるな。かつてかみは、このカクセルタスを〝わざわい〟からおすくいになられるさいに、あらゆるどくるという、あるほうもちいられた」


「それが〝そうほう〟ってヤツか! それじゃあ、さっそくおれとカイトで、たからさがしにこうぜ! だいぼうけんのはじまり――って、カンジだな!」


 あとかたけをえたレンがぶんせきへともどり、カイトたちのはなしはいってきました。たしかにレンのうとおり、〝じょう〟というのは、キレイにするというです。



「まったくおぬしは……。すこしはかんか。……だが、そうじゃな。カイトよ、レンのうとおり、おぬしらふたほうさがしてみるはないか?」


「あの〝がいかく〟をとおれるどもは、もうおれとカイトだけだもんな! どうする?」


 ヤッコスむらを、ドームのようにかこがいかくは、てんじょうぶんこそボロボロですが、まわりの〝かべ〟のぶんがんじょうです。しかし、そんなかべすこしずつくずれ、どもがやっととおれるほどの、ちいさなあないておりました。


 ときおり、ちょうろうたちはほうどうで、むらそとんでいるひとれんらくっているようですが、それでもそとは〝かい〟です。マモノもたくさんいるでしょうし、つたえにあるような〝ほう〟が、ほんとうにあるのかどうかもわかりません。


 そんなけんしょへ、カイトとレンのふただけでもうというのです。しかし、カイトは、ギュッとこぶしにぎりしめ、はっきりとしたこえこたえます。


きます。このままむらっていても、おとうさんがんでしまう。もしも、おとうさんをたすけられるなら、ぜったいたすけたい! ぼくが、じょうほうつけます……!」

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