外れ属性の黄色魔法を引いたボクは最強になってザマァする!

紫葉瀬塚紀

ショート&ショート 1話完結

 ボクは魔法が使えて当たり前の世界に住むマカタヨ。今日は15才になったので教会で魔法を付与され、当たり魔法を授かった者は国民栄誉賞並みの称賛とソンケーを集める事になる。

 そして例によって例の如く、ボクは外れも外れの黄色魔法を付与された。魔法にも色々あり、最高級の金色魔法は形容し難い程凄く、銀色だともう失神する程で、青色は感動モノ、赤色は有頂天になる等色々あるらしい。

 ボクの引いた黄色魔法は金色に比べてなんかパッとせず、銀色が相手だとピンと来ず、青色相手だと何やらもどかしく、他の色と比べてもイライラするだけという、存在価値が見出せない最低のシロモノだそうだ。

「黄色を付与されるなんて貴様は人間の屑だ!」

 とブチ切れた親父に勘当されたボクは、無一文&パンツ一丁で表に放り出された。

「クソ、どうすれば…」

 困ったボクがゴミを漁っていると、青色と緑色を引いた奴等が来た。 

「へーんだ!黄色なんかウ◯コ、ボケカス豚のヘドロ野郎!」

「ゴキブリ以下、社会の汚物、鼻糞の100分の1も価値が無~い」

 二人は散々毒突いた後、ボクにツープラトンパイルドライバーとダブルブレーンバスターを決め、更にダウンしたボクの顔面に下の物をイヤという程ブッ掛けた。

「へーんだ黄色なんか死ねー♪」

「くっ、悔しい!」

 次にオレンジ色を引いた奴が来た。

「へーんだ、黄色は糞屑小便のゲロゲロマ◯コ~♪」

 オレンジ色はそう罵るとボクにベリートゥーベリーをお見舞いした。そして聖水をボクの口に注ぎ込んだ。

「はーんだ、死ねー、バカー」

「くっ、悔しいっ!」

 ボクが屈辱に震えていると、謎の男が来た。

「強くなって見返したいか!」

「ハイ!」

「じゃあ、来い」

 ボクは男に連れられて『最強黄色道場』に入門した。ここで鍛えれば黄色魔法の真の力が使える様になるらしい。…って事は黄色って普通に外れでも何でもなくない?何、このボクを無理矢理不幸設定にする様なガバガバの展開は ! ?

 とにかくボクは訓練して強くなった。

「ようし、早速恨みを晴らして来るのじゃあ!行けぃっ、イエローキングマカタヨ!」

「キキィッ!」

 ボクが町に戻ると緑色の魔法持ちがいた。

「黄色をバカにしたお返しだ!」

 ボクは駅のホームで列車を待つ緑色の後に立ち、列車が入って来るのを見計らって緑色の背を押し、ホームから突き落とし緑色を轢死させた。

「思い知ったか!」

 次にボクは野外のカフェでくつろぐオレンジ色を見つけた。

「黄色魔法の恐ろしさを思い知らせてやる!」

 ボクは奴が床に置いたカバンに気が向いた瞬間を見逃さず、テーブルの上のコーヒーカップに青酸カリを混入させた。知らずに飲んだオレンジ色はアッという間に絶命した。

「これが黄色の強さだ!」

 すると目の前を金色と銀色が歩いていた。ボクは近くに停めてあったダンプカーに乗り込んだ。

「何すんだよー。俺のダンプだよー。止めろよー」

「うるせー!どけ!」

 ボクは運転手を突き落とすと、前の金色&銀色に向かって思い切りダンプカーを突進させた。

「キャー、助けてー!」

「オラオラァ!バカにした黄色にやられるのってどんな気持ち~?♪」

 ボクはなぶる様に時々減速しながら二人を追い回すと、最後は体力が無くなって倒れ込んだ二人をダンプカーでゆ~っくりと踏み潰した。

「黄色魔法の凄さ、シカと見たか!」

 最後にボクは実家に殴り込み、親父をメッタ刺しにして縛り上げると、家に火を放って、気持ち良くザマァを完了させた。

 黄色魔法を極めて最強になったので、ボクは迷う事なく、学園に入学した。そこでチンピラを半殺しにして、的の真ん中をブチ抜いて、美人で巨乳のIQ3レベルの見た目だけはいい数多のオナゴ連中といい事をしまくった。そうしたらこの先どうしたらいいか分からなくなったので、ハーレム作って毎日酒池肉林した。卒業?あれ、この界隈にそんなのあったっけ?まぁ、いいや。

「見たか!黄色魔法こそ最強なのだ!」

 皆さんにもオススメします、黄色魔法!これを極めてボクと一緒に夢想、じゃなかった、無双しよう!

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