エピローグ
アリの巣の最下層の部屋には私、オルミー、クイン、ナトの4人が集まっていた。もちろん私の耳には連絡蜂さんもいる。たぶんオルミーの蜂もいるはず。
目の前にはさっき穴の中で自殺した冒険者の焦げた死体が3つ置いてあった。
焦げてどんな顔をしているかは分からなかったが、2人は見覚えのあるバンダナをつけていた。バンダナも燃えて模様とかが見にくくなっていたが、見間違えるはずがなかった。
この異世界で初めて見つけた生き物、初めて話した魔物、初めてできた友達のナミちゃんの敵だった。
偵察蜂からは冒険者の特徴を聞いていなかった。人間は誰であっても変わらず、殺すべき対象だと思っていたため、顔や見た目なんてどうでも良かった。
だからまさか侵入したのがこの世界で最も憎い人間だと死体を見るまで気づかなかった。
こいつらも、まさか殺したはずの私のせいで死ぬとは思いもしなかっただろう。
この死体を初めて見たときに思ったことは、自分で殺したかったということだ。私が殺したも同然だが、もっと苦しませて、自分のこの手で殺したかった。
でも敵討ちできたという満足感もあった。
「凜、この死体はどうするのかしら。もう食べてしまうのかしら?」
「まだ寿命が近いわけではないから保管しておこうか」
焼け焦げた死体を見て人間も標本箱にしまえるのではと思った。標本箱が棺の代わりになるのではと。
空の標本箱を近づけてみると普通に入った。
残りの死体も新しく出てきた空の標本箱に入れた。
「とりあえずこのまま食料保存庫に置いとこう」
「そうですね。ついでに前に殺した子供もそれに入れてもらっていいですか」
食料保管庫には一昨日殺した2つの子供の死体がある。
「いいよ」
「凜、そろそろ魔物の女王としての話し方とか決まったのかしら」
今日は忙しくて考える時間が無かった。
冒険者が死ぬまでの間は他の冒険者を観察していた偵察蜂の通信を聞いたりした。あとクインと人間をどうやったら最も苦しめて殺せるかの話をした。かなり盛り上がった。
私とナミちゃんの話もクインとオルミーにした。
そのため、さっきの死体がナミの敵だったことはここにいる全員が知っている。でも誰も慰めたりはしなかった。
私はこの世界を変えるまでは悲しんだり、後ろを振り向かないと決めたから。たぶん、仲間もそんな私の覚悟を知ってるから慰めなかったのだろう。
私はこれから人間を殺していく。
今回のように自殺なんて生やさし殺しではなく、残酷に殺していく。今まで人間が生き物、この世界では魔物にしてきた以上の絶望を与えて殺していく。
この世界の私は魔物の女王となる。
私の格好はかわらず真っ暗なゴスロリ衣装だ。
このゴスロリ衣装と残酷に人間を殺すというワードで一つのアニメキャラを思い出した。
そのキャラの名前は「ゼータ」といい、真っ黒のゴスロリ衣装に身を纏い、自分を世界の中心と思い、平気で人間を残酷に殺していくキャラだった。もちろん人間以外も気に食わなかったら殺していた。まさに世界の女王だった。
私がアニメで最も好きになったキャラだ。もちろん生き物を殺すから大好きだったわけではないが、他の人間を守り、生き物を殺すキャラ達よりはマシだったという話だ。
でも「ゼータ」はやりたいことをやりきるキャラだった。
私もこの世界で魔物を人間より上の地位にするというやりたいことを達成したい、いや、する。
だから女王としての話し方は「ゼータ」に合わせようと思った。
「決まったでありんす、クイン殿、オルニー殿、ナト殿。妾は今日から魔物の女王でありんす」
「妾が妾である限り、妾達魔物陣営が世界の中心でありんす」
ーーーあとがきーーー
ここまで読んでいただきありがとうございます。
(たぶん3人いないと思うので、本当にここまで付き合ってくれてありがとうございます)
悪かったところでも良いので感想もらえるとありがたいです。(ここまで読んでくれた方の意見なら受け入れられると思います。たぶん)
図々しいですかね?
名前は伏せますが、毎回ハート押してくれた方ありがとうございます。
あまりPVは伸びませんでしたが、このハートがあったので気持ち的には良い作品だったと思えました。(これ書いてるの11/27だから、もしかしたらハートくれる方読むのやめてるかもしれないけど)
個人的には代表作より後に書いたもので、出来が良いと思っていました。そのため、こっちの方がPV増えるかなあと初めは思ってました。
恥ずかしいです・・・
12月には現代ドラマ? ホラー?の約10万字完結の作品をあげるつもりです。
よければどうぞ!
1話のプロローグの後書きでも書いたとおり、一端ここで終わります。
続きを書きたい気持ちはあるので気が向いたら書きます。
感想とかいただけるとありがたいです。
異世界で魔物大好き二度目の生物学者ライフ ~妾達魔物陣営が世界の中心でありんす~ ゼータ @zetaranobe
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